事業再構築補助金、新規事業に挑戦する事業者にとって魅力的な補助金だと思います。
ただ、検討してから入金までには長い時間がかかりますので、目先の事業資金は確保している事が前提になります。
どうして入金まで時間がかかるのか、進行中の案件を紹介します。
事業再構築補助金のスケジュール
補助金には「採択」と「交付」と2段階の審査があります。
「採択」は「事業計画の内容が優れている」と判断され、選ばれることです。
「交付」は補助金(税金)を支出するのに書面上問題がないと判断されることです。
多くの場合、採択に向けては外部がお手伝いすることができるのですが、交付については、
外部事業者が介在するのを排除し、事業者でないと手続きできません。
ただ、補助金申請に必要な膨大な事務作業を事業者が行うのが難しいため、採択後も時間がかかっています。
事業再構築補助金で、一番スムーズに行ったのが、採択されて3ヶ月後に「補助金確定」しています。長いと1年以上かかっています。
実際のスケジュール(長くかかっている例)
実際にどのようなやり取りで長引いているのか記してみます。
・2021年3月に問い合わせ、4月にサポート決定
・2021年6月(2次募集)に挑戦→不採択
・2021年9月(3次募集)に挑戦→採択!
・2021年9月中に「事前着手申請」→1週間ほどで承認
(その後、物件探しで苦労)
・2022年6月に物件確保、工事に着手
→広めの物件になったので、内装工事費が当初計画の3倍に。
・2022年7月に金額変更理由を添えて、作り直した事業計画を提出、交付申請
・2022年10月に交付決定
・2023年1月に支払決定
→入金は2023年3月
以前、採択後の全体像を書いています。ご参考まで。
事業再構築補助金、採択後の手続きについて
手続きが長期化する理由
事業再構築金は「新しい事業」の立ち上げになりますので、社内ではどうにもならない
ことが出てきますし、補助金事務局の対応もあまりよろしくないので時間がかかってしまいます。
これから手続きをされる方の参考になればと記してみます。
物件探し
上記の事業者は「eスポーツカフェ」の開業を目指す内容で、
事業に理解のある大家さんが少なかったため、物件探しが困難を極めました。
ようやくの思いで物件を借りたのですが、防音工事をしっかりやるようにと
厳しく言われ、内装工事費が当初予定していた金額の3倍になりました。
その事業者さんの本業は「管工事業」で空調のダクト工事が専門なので、
内装工事についても素人ではなかったのですが、思わぬ事態になりました。
→当方としても、事業計画を数字部分から変更していますので、結構な手間がかかりました。
事業計画の作り直し
採択後に事業計画の作り直しを要請されたケースは他にもあります。
その時は、採択された計画に対して、補助金で購入できるのは「ここまで」と言われ、
どうしてもその設備が必要な理由を示すか諦めるかしてほしいと言われ、
事業者が諦めた結果、「計画書を作り直すように」と言われました。。。
補助金事務局の対応待ち
上記のスケジュールで言えば、補助金事務局の対応待ちが長期化しています。
事業者が手続き進められずに止まっているばかりではありません。
・2022年7月の交付申請から決定まで3ヶ月
・2022年10月の交付決定後に支払決定まで3ヶ月
その間は補助金事務局に確認しても「審査中」としか案内してもらえないようです。
採択後の流れについて、補助金事務局の案内についてリンク貼っておきます。
事業再構築補助金、採択後の手続き
お勧めの対応策
補助金が欲しいという想いで見切り発車するよりも、
投資内容や事業のスタートにある程度メドを付けてから
スタートするほうが良いでしょう。
申請する枠によっては、交付決定する前に設備などを発注できる
「事前着手申請」制度がありますので、補助金の有無に関わらず
進めてしまう位で良いかと思います。
→補助金がなくても推進するべきという段階まで煮詰めておけば、計画そのものにも
リアリティが出ますし、採択後に早々に補助金を確保できます。
採択されてから物件探しを始めると、中々内容が煮詰まらず、当初と計画のズレも出てきますので、スケジュールが遅れてしまいます。
当方では、「既に投資済み」という案件については4件申請して4件とも採択されています。
良くないところもある補助金ですが、うまく使ってみてください。
《あとがき》
それほど忙しいわけではないのですが、常に「あれやらなきゃ、これやらなきゃ」という状態です。
仕事が遅いのもあるかと思いますが。
亡くなった坂本龍一さんではないですが、「人生は短し」と感じます。
自分一人で仕事しているのが楽しいので、仕事を選んで行きたいと思います。