経営者のサポートスタイルとして、コンサルティングはもちろんですが、コーチングが必要になる場面もあります。
自分はそのどちらでもない「壁打ち支援」を重視しています。
壁打ち支援とは
壁打ちで想起するのはテニスの「壁打ち」かと思います。
まさにそのイメージで、経営者の考えを打ち返していきます。
ラリーが続くように、丁寧にディスカッションしていきます。
そういう意味では「ディスカッション・パートナー」という存在かもしれません。
なにかアイディアが出てきたら、広げてみたり、収束させてみたり、
相手が考えていなかった方向から刺激的なことを伝えてみたりしていきます。
こちらもいろいろな企業様をみていますので、
具体的な例を挟んでディスカッションしたり、時にはレクチャーもします。
従って、こちらが主導権を握るコンサルティングとも違いますし、
ひたすら「自分の中の答え」を探られるコーチングとも違います。
どうして壁打ちなのか?
これは、私のこだわりというか矜持なのですが、支援者と支援する経営者は
対等の関係にあり、本当にお役に立つには「壁打ち」しながらご支援するほうが
良いと考えているからです。
経営者は目の前のことで結果をだしたい。
支援者は目の前のことだけでなく、俯瞰的に状況を見渡し、
見落としているところをお伝えできます。
コンサルティングというと、「答えはコンサルタントが持っていて、
授けてあげる」印象です。
現在の状況をもとに課題を設定し、解決策をお示しします。
ただ、時には「押し付け」になってしまうことが否めません。
経営者にとっては、こちらの状況に精通しているわけでもないのに、
考えを押し付けられると不愉快です。
一方、相手の自主性を重んじるコーチングでは、
「答えは相手が持っているという前提で、有りたい姿を引き出す」支援をします。
ただ、自分に答えがないのに、「あなたはどうしたい?」ということを
延々と聞かれるのもどうかと思います(私個人は好きではありません)。
まとめるとこんな感じでしょうか。
![](https://m-supporting.com/wp/wp-content/uploads/2024/01/68f2b3a9a681229142ff32e95aabf229-e1705199932167.png)
壁打ちの効用
壁打ちの場合、解決したい事柄は相手(相談者)が持っています。
相談してきて、それに返していくうちに相手の考えが整理されたり、
自分では気づかなかったことに気づいたりという効用があります。
壁打ち具体例
例えば、中古車の売買をしている相手が
「スバル車に特化して仕入れを行っている」場合、こんなやり取りになります。
![](https://m-supporting.com/wp/wp-content/uploads/2024/01/A6E0BAC0-1B93-4222-A37F-9BB33B2055CD_1_201_a-scaled-e1705198625416.jpeg)
・どうしてスバルなのか?
・スバル車は中古車の中でどういう位置づけなのか?
・スバル車に特化する事業者は他にはないのか?
・スバル車の中古だとどういう所に気をつけるのか?
・スバル車を指名して購入されるかたはどういう方なのか?・・・
・他の事業者がスバル車に特化できないのはどういう理由か?
その所々で、こちらも把握している情報をお伝えします。
壁打ちの狙い
・質問しながら、考えを発散させてみたり収束させてみたりすることで、
段々と現状に応じた具体的なものにしていきます。
・相手が分からないことについては、こちらからレクチャーを行うので、
壁打ちだけをしているのではなく、壁打ちの前提になることを教えてあげます。
(0の状態だと議論になりませんが、0→1になれば、
後はネットで調べれば気になることはいくらでも調べることができます)
・スマホでいろいろと調べながらアイディアを拡散し、
「これだ!」というものを掘り下げていきます。
こうしたやり取りを重ねることで、自分の事業の優位性やら
ターゲット顧客やらが見えてきて、
今後やるべきことがスッキリと見えてくる効果があるようです。
他の壁打ち事例
その他にも、こんなこともありました。
・新規事業をすぐに始めたいという経営者が、やり取りを重ねて「即効性がない」ことに気づき、既存事業を大切にするという結論に至りました。
→新規事業は将来的には必要だけれども、今必要なのは足元の業績回復なので、
既存事業を深掘したほうが効果的
・フランチャイズ事業をすぐに始めたいという方が、商品の卸売を強化していくという結論に至りました。
→商品に優位性があるので、店舗を広げていくよりも商品をどんどん売っていく方が良い。店舗はブランドイメージのために1つ、2つ優良店があれば十分
壁打ち支援をするには
壁打ち支援はどのような段階でも有効ではないかと思いますが、特に経営者と対等にディスカッションできる相手がいない場合に有効化と思います。いわば、経営者の「仮想」右腕となる存在です。
壁打ちのテーマは経営者にありますので、漠然とした悩みでも、具体的な課題でも有効です。
・フランチャイズ展開してみたい
・収支を早急に改善するには
・事業をそろそろ引き継いでいきたい
モヤモヤっとした状態から開放され、
この次どうしていこうかという状態になれば、後はやるだけです。
ご興味がありましたら、お問い合わせください。