事業承継、最大のハードルは経営者に決断してもらうこと

団塊の世代が65歳を過ぎ、その世代の経営者が立ち上げた会社にとっては、経営の承継問題が待ったなしの状況になっています。融資をしている金融機関、中小企業を支援する公的機関にとっては、事業承継はホットなテーマになっています。しかし、事業承継の支援はテクニカルな面よりも経営者の決断を促すことが一番難しいと考えています。

事業承継は、創業者を会社から切り離すこと

多くの中小企業は会社を立ち上げた方がいて、その方が人生を賭けて会社を発展させてきています。普通に会社員をしていればリスクはない代わりに、会社を背負うことはありませんが、会社を設立する際には、自分の貯金、周囲や金融機関からの借り入れを経て会社を作り、最初は経営者の給料も取れずに仕事していたという方が大多数です。そういう方に、「もうお年ですので、次の方に経営を譲ってください」とお伝えしても、「頭では分かっているけど、納得ができない」という態度になってしまいます。

 

事業承継でこじれる点

自分も公的機関で仕事していますので経験しているのですが、「経営者が65歳だから、そろそろ事業承継の話を進めろ」と言ってくる方がいます。ただ、経営者のコンディションは年齢に正しく比例するとは限りません。

自分の父は64歳で脳梗塞を患って、翌年から介護が必要になり、67歳で亡くなりましたので、事業承継というか、事業を終息させることが第一優先でした。ただ、70歳を過ぎても元気でエネルギッシュな方は沢山いらっしゃいます。自分のようなフリーのコンサルタントだと個人差が大きく、60代半ばで亡くなる方もいれば、70代後半でも精力的に講演をこなしたり、顧問企業をいくつも持っていらしたりします。

 

事業承継には時間がかかる

事業承継はすぐにできるものではありません。経営者が急逝すれば代わりを立てることにはなるのですが、たいていの場合、それだと会社にとってベストの状態では引き継げず、後継者が大変な苦労をすることになります。

テクニカル的には、経営者交代による株式の承継、経営者の親族との相続の問題などがありますが、一番大事なのは後継者が経営のことを理解し、ご自身の方針を持たれるようにすることです。経営状況を理解してもらうことはそれほど難しくないと思いますが、これからの方針を立てるのは大変です。これだけ事業環境が変わっている状況ですので、これまでの延長では長いこと続かず、後継者自身が経営計画を立てて、今後の事業環境に合わせて考えるべきなのです。

 

事業承継のサポートは弁護士さんも税理士さんも行っていますし、そういった分野の専門家がサポートすることで隙のない計画が出来上がります。ただ、一番大切なのは、経営者が事業承継の必要性を実感し、どのように受け渡しするかをしっかりと検討することです。

中小企業診断士の役割は経営者に寄り添って、どのようにしていくことが経営者にとってベストなのかを納得がいかれるまで支援させていただくことです。

何かご興味がございましたら、是非、お問い合わせください。

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、これから創業する方、少人数でビジネスをされている方に特化したビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

・これから創業したい

・ひとりビジネス〜3,4名程度の事業主で相談相手が欲しい

・フランチャイズに加盟してみようかと考えている

こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。

 

あとがき

5月は研修にどっぷり漬かっていましたので、この週末でリフレッシュしました。金曜、土曜と遊ぶことに忙しく、日曜日はフィットネスで運動して体をメンテナンスしました。