好調企業は資金繰りに注意〜売上伸びるときは、お金が必要

昨年の後半に2件ほど資金繰りのご相談を受けました。両社に共通するのは、売上急伸の絶好調企業でした。

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資金繰りが苦しい理由

売上に先立つものは仕入になります。小売業であれば商品の仕入が必要で、サービス業であれば、現場でサービスしてくれるスタッフの確保が不可欠です。売上が急伸するということは、先立つ支払いが増えるということに他なりません。

 

ケース1:アパレル小売業

その会社は売上が1億、3億と増えていて、来期は6億の見込みです。アパレルだから利幅は大きいのですが、先立つものは仕入になります。しかも、国内の商社を通じた仕入から、海外ブランドの直輸入に踏み切っていました。国内仕入であれば、仕入をした翌月に支払いをすれば良いのですが、海外のメーカーから直接の仕入だと製品が入ってくる半年前に前金を払わなくてはならなくなります。

そのため、売上が3倍、2倍と伸びるのであれば、仕入は先だって増えていきます。売上が実際に伸びる前に仕入が先に発生するので資金繰りが苦しくなるのです。

 

ケース2:イベント企画

その会社は東京モーターショーのブースを作ったり、ファッション関係の展示会そのものを企画したりと、取り扱いのイベントが増えています。その結果、売上が3億から5億に増えそうだということでした。ただ、突発で対応を頼まれて売上が急増するケースもあるようでした。更に問題になるのは、世間を騒がせているイベントの企画元から大手広告代理店に依頼が来て、1次下請けになったり、2次下請けになったりするようで、下の階層になるほど入金が遅れる構造になっていて、仕事をしてから入金まで2〜3ヶ月かかることです。こちらも、売上が急増するということは、仕入が急増するということに他なりません。

 

売上急伸企業の第一歩は月次の予想PLを作ってみる

自分がサポートした際には、両社の予想PLを作成しました。今後2年間の月次PLを予測で作るのですが、売上には波があります。どの月に売上が多く、どの月が少ないのかを確認して、年間予算を月別予算に落とし込みます。PLを作った上で、実際の支払いタイミングと入金のタイミングを把握します。

もっとも、予想PLを作るのは2年という長期スパンでの把握になりますが、先ずは手元現金の増減を把握するために、3ヶ月先までの売上とそれまでに支払う費用をエクセルで計算しても十分かもしれません。

 

資金繰り表の作り方はネットで検索すれば出てきますが、改めて書いて見たいと思います。

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、これから創業する方、少人数でビジネスをされている方に特化したビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

・これから創業したい

・フランチャイズに加盟してみようかと考えている

・ひとりビジネス〜3,4名程度の事業主で相談相手が欲しい

こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。

 

あとがき

ものづくり補助金、ようやく山を越えました。この3連休はゆっくり休もうと思います。