コンビニオーナーはブラックなのか?

昨日、NHKでコンビニオーナーが困窮しているドキュメンタリーが放映され、コンビニオーナーによる団体交渉権要求などが特集されていました。

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コンビニオーナーの状況

昨日放映されていたのはファミリーマートですので、情報開示されている数字を並べてみます。「法定開示書面 ○○(チェーン名)」で出てきます。

・チェーン全店売上高 19,326億円 (2015年度)(A)

・店舗数       10,487店舗 (2015年度)(B)

→店舗毎の売上平均 184,285,306円 (C=A/B)

→1ヶ月あたり    15,357,108円 (C/12)

→1日あたり       504,891円 (C/365)

 

・本部フィー     550万円以上の部分69%

300万〜550万円の部分 63%

300万まで    59%

 

コンビニ経営の数字

1ヶ月の売上の30%が粗利(売上総利益)とすると、

粗利 4,607,132円 →460万円で計算します。

※30%は実際の粗利比率ではなく、推測の比率です。

 

仮に、粗利益率30%で計算すると、

300万×59%=177万

160万×63%=100万が本部取り分です。

粗利の残りが183万円ですので、そこからアルバイトの人件費と光熱費を支払う事になります。

 

・アルバイトの人件費が時給1000円とすると、

1000円×24h×30日=72万円です。2人なら144万円になります。

夜に二人もいらないと考えると、実際にはこの中間の金額(100万円程度)になるでしょう。

光熱費が1日1万円、30万円とすると、

粗利183万円−100万円−30万円=53万円がオーナー取り分です。

 

乱暴な計算ですが、コンビニオーナーとはそういう商売です。アルバイトの人件費次第で残る利益が異なってきますので、多くのオーナーはオーナー自身が店舗に出てお店を運営します。そのため、徹夜が続いて休みも取れない、ブラックだという論調になります。

 

フランチャイズ加盟の心得

フランチャイズだと全国に沢山店舗があって、知名度もあって、自分も成功しそうだという期待を持ってしまうかもしれません。

ただ、情報は事前に開示されていますので、それを自分で数字に落として計算して、その善し悪しを計算するべきでしょう。フランチャイズは長期にわたる契約ですので、「人生をかける決断」といっても過言ではありません。

ざっくりした計算をするとオーナーの取り分はおおよそ検討が付きます。この金額でよいのかどうかを自分なりに考え、実際のところは本部に聞いて確認するべきです。そして、計画から下ブレしても大丈夫かどうか、リスクを折り込んで計算しておくと良いでしょう。

会社の場合は、会社から命令されて逆らえないからブラックと言われますが、コンビニオーナーは事業主になるという意志を持って選んだ道です。契約に縛られることも考慮して加盟するべきでしょう。

 

 

◆自己紹介

私、山下哲博はサービス業や流通業の小規模事業者向けのビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

・フランチャイズを中心とした創業

→本部選びや創業時の計画、創業時の融資獲得

・フランチャイズ化とのれん分け

→多店舗展開、店舗の収益力向上

・補助金や融資などの経営計画づくり

→認定支援機関として、補助金の計画作成や日本政策金融公庫と連携した
融資サポート

これまで経験してきたことを元に、難しいことを分かりやすく、経営者のこれからの道筋が明確になるよう、サポートさせていただきます。

 

あとがき
コンビニに限らず、自営業は大変です。会社員が手厚く守られているだけに落差を感じます。