昨年の惜しいトラブルを経て、今年のル・マン24時間耐久レースではトヨタが3台体制で出走しました。結果は出ませんでしたが、この挑戦の意義は大きいのではないかと思います。
自動車のブランドについて想うこと
自動車のブランドというと、自分の場合はフェラーリやポルシェといったスポーツカー、普段乗りだとメルセデスベンツやBMWが連想されます。これらのメーカーに共通しているのは自動車メーカー間の競争で切磋琢磨していることです。
フェラーリやメルセデスはフォーミュラカーの最高峰であるF1でチャンピオン争いをしていますし、ポルシェは今回のル・マンで3連勝、ハットトリックを達成しています。BMWもF1からは撤退しましたが、これまでに多くのカテゴリーに出ていまして、走りのBMWというイメージが定着しています。
トヨタのイメージ
トヨタはマーケティングに優れ、プリウスのような売れる市販車を作るということについては長けています。しかし、走りについてはそれほど優れたイメージがありません。そのため、優等生だけれども保守的な車というイメージです。過去に2000GTという名車を出しましたが、エンジンはヤマハとの共同制作ですし、最近出した86というスポーツタイプの車もスバルとの共同制作です。
過去にF1にも出ていましたが、特別印象に残る成績ではありませんでした。
ル・マンへの挑戦
トヨタは一貫してル・マンに挑戦し続け、1975年に出走したのを手始めに、1985年からは連続出場しているようです。その間の最高成績は2位で、昨年のル・マンでは残り3分というところでエンジンが止まってしまい、今年は雪辱を賭けた戦いでした。
ル・マンは地上波などでの中継がなく、有料放送のJスポーツでの中継しかないのですが、トヨタGAZOOレーシングのwebサイト経由で中継を視聴することができました。今回は豊田社長も現地入りしていて、並々ならぬ気合が伝わってきました。
トヨタ、今年は惨敗。しかし、挑戦したという歴史は残る
既に報道されている通り、トヨタはトップを走っていた車がクラッチトラブル、もう1台が後ろからの追突でタイヤがバーストしてリタイヤ、残された1台もモーターのトラブルで2時間近くの修理を行って大幅に遅れてしまい、総合9位でした。
ただ、今回のレースでは予選のポールポジションを日本人ドライバーが取ったこと、昨年の惜敗からリベンジ目指して取り組んでいたことなど、トヨタの挑戦は並々ならないものであったのは事実です。現地に応援に行っている“モリゾウ”こと、豊田章男社長の情熱も伝わってきました。
レースに挑戦する姿勢こそが自動車メーカーのブランド価値
フェラーリやメルセデスにしても、いつも勝てているわけではなく、負けてきた歴史があってチャンピオンを取っています。トヨタは勝者のポルシェをリスペクトしつつ、来年もチャレンジすることを表明しています。本気で勝ちに行くという姿勢こそが他のメーカーや消費者からリスペクトされ、ブランド価値になるのではないかと思います。
F1でも昔のホンダは本気で勝ちにこだわっていてかっこよかったです。最近は「負け癖」が付いてしまって心配ですが。
ル・マンへの挑戦だけでなく、走りの品質を欧州で徹底的に鍛えたSUV車両を「世界戦略車」として売り出す等、トヨタが積極的にブランド構築を図っていることが伝わってきます。
最近はテスラのような新興メーカーがEVの世界でマーケットを押さえそうな勢いですが、レーシングスピリットというか、メーカー間のフェアな戦いをこれからも見ていきたいです。自分自身もトヨタユーザーですし、トヨタの挑戦を応援しようと思います。
◆自己紹介
私、山下哲博は、これから創業する方、少人数でビジネスをされている方に特化したビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。
・これから創業したい
・ひとりビジネス〜3,4名程度の事業主で相談相手が欲しい
・フランチャイズに加盟してみようかと考えている
こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。
あとがき
24時間耐久レース、一度現地で見てみたいなと昔から思っています。いくら好きでも夜中には就寝しますが。この時期のヨーロッパは昼が長くて最高でしょうね。