ベンチャー企業の事業計画、特別な計画は必要ない

金融機関の方から「ベンチャー企業向けの創業計画」について問い合わせを受けました。担当の方は特別な計画が必要だと思っているようで、話がかみ合いませんでした。

 

ベンチャー企業向けの事業計画

わざわざ「ベンチャー企業」と言っているからには、当たれば大きい案件であり、ハイリスク・ハイリターンであることを強調したいのだと思います。ただ、知的財産権保護や製品開発については、高度な計画が必要かもしれませんが、経営計画自体は複雑な物ではありません。

事業計画

計画自体は、目標があって、そこに行くまでの道筋を描きます。現在の事業環境(外部環境といいます)を分析し、事業機会、ビジネスチャンスを探します。そして、企業の状況(内部環境)を鑑み、得意なところを伸ばしていく、足りないところは補っていくことを考えます。どの市場にどういう製品で攻め込んでいくのかを決めて、具体的なアクションプランを策定します。その時に大切なことは、「できることを具体的に」決めていくことです。

ベンチャー企業とわざわざ定義するまでもなく、どういうターゲットにどのようなニーズがあるのか、どのように売り込んでいくのか、売上が大きくなることで組織がどのように変わっていくのかを考えていきます。

 

ベンチャー企業と通常の中小企業の違い

ベンチャーと強調する際、新しい技術の開発、これまでになかった画期的な商品・サービスを提供して、大きなリターンを得られる点が、普通の中小企業と異なるのかもしれません。売上が上がるまでに時間がかかること、5年でなく10年かかるのかもしれませんが、そこまでを考慮した資金確保が必要だということになるのでしょうが、その場合はショートゴールを決めて、計画を立てる段階で現実的なところを目標にして計画にするべきです。そうすると、事業計画自体はベンチャー企業でも普通の会社と変わりません。

 

事業計画の鉄則

事業計画自体は将来のことになりますので、実現出来るか分からない計画も作成できます。ただ、そういう計画は「絵に描いた餅」と言われることが多く、金融機関は嫌がります。どうやって計画に示した数値を達成させるのかを具体的なプランに落とし込むことが必要です。

以前、投資家向けの計画と社内で実現出来そうな計画が2つあって、投資家向けの計画が達成出来そうにないと上が無茶を言って従業員に自爆させてでも、目標達成にこだわる会社がありました。今だと完全にブラックです。

実現出来ない計画を立てて、それをベンチャー企業というのは無茶があります。今後の成長に必要な戦略を立て、どのように業務を推進していくかという点では指導する人の力量が問われますが、計画自体にマジックはないと思っています。大事なのは具体的なアクションプランで、業界に精通した専門家の存在です。

今回は銀行の方に「ベンチャー企業」向けの事業計画を策定できる専門家はいないのかと問い詰められ、金融機関が嫌うパターンじゃないかと思った次第です。自分は確実な計画策定をサポートしたいと思います。

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、これから創業する方、少人数でビジネスをされている方に特化したビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

・これから創業したい

・ひとりビジネス〜3,4名程度の事業主で相談相手が欲しい

・フランチャイズに加盟してみようかと考えている

こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。

 

あとがき

以前、顧問先がファンドから億単位の出資を受ける際のお手伝いをしました。ファンドの方は計画について、目標は重視していましたが、凝ったパワーポイントなどは全く重視していませんでした。やはり、本質が重要です。