創業時は手元資金を意識する

創業したばかりだと売上が十分に立たず、赤字が続いている状況である事業者が多いと思います。創業時から赤字は織り込み済みかもしれませんが、損益上の赤字以上に手元資金が乏しくなるケースが大半です。現金残高にはご留意ください。

資金繰りの重要性

決算書を見せてもらって、債務超過5千万円とか1億円にまで膨らんでしまっている会社があります。そして、毎年赤字決算を重ねている会社も珍しくありません。会社は赤字であっても、債務超過であっても倒産するものではなく、手元資金の手当てさえできていれば倒産しません。

会社に信用がなければ金融機関からの借入はできませんが、古い企業の中には赤字が積み重なって債務超過になっているケースが珍しくありません。

 

創業時のキャッシュフロー

創業したばかりであれば、繁盛している小売店や飲食店であれば、現金商売になりますので資金がないということはありませんが、企業向けのサービスやシステムを提供していれば、先にサービス提供のための人件費支払いやシステムへの投資など、支払いが先立って発生してきます。

また、実際に売上が立ったとしても、その売上を現金として回収できるのはずっと後になるケースも珍しくありません。例えば、自分が頼まれてレポートを書く際もセミナーの講演をする際、先に取材費や資料の購入などが先に出ていきます。取材には交通費もかかります。新幹線などはクレジットカード購入もありますが、基本は現金払いです。逆に支払いは材料を揃えて執筆したり、講演をしたりとこちらでサービスを提供してから請求書を書いて、その後に支払われます。そのため、費用発生から早くて2か月、遅いと半年位遅れの入金になります。

 

資金繰り管理が重要

手元現金を管理するには「資金繰り表」を作って管理します。月初の現金残高に対し、月中の入金と支払の予定を入れていきます。自分の場合はコンサルですので、正直、3か月後の売上は分からない部分がありますが、それでも入金予定を入れていきます。逆に支払いは事務所経費やら月々の交通費、人件費などが確実にかかりますので、それを入力していきます。

そうしていくことで、どの時点で手元現金が危なくなるのかを管理することが出来ます。

 

創業時は資金管理が重要

サービス業などで開業すると、最初は赤字になるもので、段々と黒字に転換するものとして計画を作成するケースが多いです。その場合、損益上で黒字転換するのに6か月かかるのであれば、資金上で入金が支払を上回るのは早くて7か月後です。創業してから6ヶ月間は手元現金が乏しくなっていく一方ですので、資金繰り表を作って管理することで精神的にも落ち着くことができます。

資金繰りは経営の最重要事項ですが、資金繰りの管理の仕方は事業者によってそれぞれです。もし、ご興味がありましたらサポートさせていただきます。

 

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、これから創業する方、少人数でビジネスをされている方に特化したビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

・これから創業したい

・ひとりビジネス〜3,4名程度の事業主で相談相手が欲しい

・フランチャイズに加盟してみようかと考えている

こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。

 

あとがき

妻の会社が人事異動の時期で悲喜こもごもなようです。自分は組織を離れて人ごとですが、組織から離れて良かったと改めて思いました。やはり、自分は一人でやっているのが向いています。