創業計画には資金計画が必須

サービス業で起業しようとする方の相談を受けました。手元の資金は200万円、残りを借入で資金調達したいということです。

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創業時は融資のチャンス

事業を始めて、売上が上がらない状況で貸してくれる金融機関はありませんが、始めるタイミングなら貸してもらえます。いわば、創業するときは融資を受けるチャンスです。事業で収益を生み出すまでに時間がかかるのであれば、最初にお金を借りておいた方がよいです。

 

売上見込みを作る

先ずは売上の見込みを自分で作ります。「自分で」というのがポイントで、特にフランチャイズ加盟だったりすると、自分で見込みを作らずに適当に考えてしまいがちです。

商品を設定して、その価格を決め、それがどの位売れるのかを計画します。小売業だと小口の注文が積み重なって1日の売上になりますが、サービス業だとザックリした感じです。

マッサージなら1時間3,000円、お掃除なら1件5,000円とか価格があると思いますので、それを1日に何件さばけるかで1日の売上が決まります。

 

費用を見積もる

費用には2種類有り、売上に比例する「変動費」と常に一定額がかかる「固定費」があります。小売業であれば、仕入がありますので変動費がありますが、サービス業には変動費はあまりありません。例えば、マッサージであれば必ず必要になる費用はないでしょうし、お掃除であれば洗剤程度です。

家賃、人件費、通信費、広告宣伝費、交通費などが必ずかかる費用になると思います。

 

売上−費用=利益

売上と費用を見積もったら利益が出ます。個人事業であれば、自分の生活費程度の利益を出すことを目指します。会社を作ったら給料として固定額を毎月受け取ることになりますので、給料を取っても利益を出すことが目標になると思います。

なお、費用に借入の返済は入っていませんので、利益から返済することになります。

 

資金繰り

利益と資金繰りは違います。同じようですがイコールにはなりません。借入の返済は経費ではありませんし、開業時に高額の設備を購入すると資産計上され、費用にはなりません。高額の設備を買っても費用にならないので、利益計算と手元の現金残高は異なります。

そのため、収支(売上と費用)の計算だけでなく、資金残高も計算しておくことが必要です。

開業時に支払う費用、月々支払う費用を月ごとに見積もり、月ごとの支出見込みを作り、入金のタイミングを入れれば、資金残高を把握することができます。

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上の図は、とある業界の手元現金シミュレーションです。収支だけで見ると把握しづらいのですが、当初に15,000の資金を持ってスタートし、開業時に半分残しておいても売上の入金があるまでのタイムラグで手元現金がどんどん少なくなります。物件を取得してもすぐには営業ができず、従業員に開業準備をさせたりしますので、家賃と人件費はどんどん出て行ってしまいます。

このようなシミュレーションをしておくと、開業した後に資金繰りでパニックになるのを避けることが出来ます。そうはいっても、いつまでも収支が均衡しないといずれは終わりが来ますが。。。

創業計画に収支と資金の計画は必須です。ご要望がありましたらサポートさせていただきます。

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、これから創業する方、少人数でビジネスをされている方に特化したビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

・これから創業したい

・フランチャイズに加盟してみようかと考えている

・ひとりビジネス〜3,4名程度の事業主で相談相手が欲しい

こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。

 

あとがき

上記の表は飲食店の想定です。介護だともっと入金が遅くなります。