経営革新というのは最近の言葉ですが、優秀な統治者が経営を思い切って改めることで大きな成果を上げるというのは今も昔も変わらないように感じました。
経営革新とは
経営革新計画は、中小企業が「新事業活動」に取り組み、「経営の相当程度の向上」を図ることを目的に策定する中期的な経営計画書です。新事業の内容としては、新しい商品(サービス)の開発、商品(サービス)の新たな生産・販売・提供方法の導入などがあります。
どんな商品、サービスでも、それにお金を払ってくれる相手がいて成り立ちますので、時代の変化と共に新しい商品やサービスが出現するのは必然ともいえます。
後継ぎの経営革新
新しい事業に取り組むには何かきっかけが必要です。通常はよほど追い込まれないとなかなか取り組めません。そもそも成果が出るかがはっきりしませんし、うまくいかなかった時に誰が責任を取るのかという問題もありますので、通常時には新事業の優先順位は低いです。
ただ、トップが変わった時は新しいことに取り組みやすいタイミングです。後継者にとって、先代経営者のやってきたことを踏襲するだけではなく、何か自分の考えで組織を動かしたいというのは自然な感情です。そして、先代経営者が基盤を作った時と後を継ぐ時は家業を取り巻く状況も違いますので、後継者の感覚で新しいことに取り組むことには一理あります。後を継ぐタイミングで、新しいことに取り組む経営革新について考えて実行することには大賛成します。
徳川吉宗の例
徳川幕府の8代将軍である、徳川吉宗については日本史で習っているはずです。15代続いた将軍の8代目なので、ちょうど260年続いた幕府の中間点にいた将軍です。歴史上では江戸時代の3大改革の一つである「享保の改革」をやっていて、中興の祖という歴史的な評価を受けています。
徳川吉宗は本家の出身でなく、分家の紀州藩家の四男だった人です。将軍家本家の血筋が絶えたことから、養子として迎えられ、思い切った改革を行っています。新田開発などの公共事業、財源確保のための増税と質素倹約、市井の人々からの意見を取り入れるための目安箱など、新しいことに積極的に取り組んでいます。
代替わりのタイミングで新しいことをする
徳川幕府の将軍であれば、これまでの方針に沿って「良きに計らえ」と命ずれば全てが上手く回っていきます。将軍を補佐する老中という役職には競争を勝ち抜いてきた優秀な家臣がいて、将軍のために尽くしてくれます。
ただ、吉宗が8代将軍についたのは1716年であり、徳川家康が無くなってから100年ほど経っていますので、あちこち修正しなくてはいけない時期だったかもしれません。
徳川幕府のような組織では、将軍が圧倒的な権力を持っていますので、部下が思い切った改革をするのは難しく、将軍自らが時世に合わせた新しい取組に取り組んで幕府を活性化しています。吉宗が亡くなったのは1751年ですので、結果的には大政奉還まで110年ほど徳川幕府が続く基盤を作っています。
後継ぎは家業の改革者であるべき
徳川幕府のような大組織では、よほどの実力者でないと方針を大きく変えることは難しいのですが、逆に、家の仕事=家業であっても、それを転換するのは家長でないと難しいです。そして、家を継いだ後継者が先代の方針に従って粛々と家業を運営するか、自分のやりたいことの実現に向けて大きく舵を切るかは後継者次第です。
徳川吉宗のような歴史に残る大改革が出来るかどうかは別として、後を継ぐタイミングで自分がトップになったら何をしたいのか優先順位を付けたり、新しいことに挑戦することをやってみると良いでしょう。後を継ぐタイミングで、新しいこと=経営革新に取り組むことを推奨します。
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あとがき
コロナ騒ぎが海外で大変なことになってきました。個人的には楽しみにしていたF1のオーストラリアGPが中止になったのが残念でした。