7月にフランチャイズ加盟セミナーに登壇する予定です。今回はセミナーの内容を自分で決めることができましたので、収支計画やフランチャイズ契約書について話そうと思います。セミナーで話すテーマではありますが、内緒にしておく話でもありませんので、こちらに少しずつ書いていきたいと思います。
フランチャイズで最も多いトラブルは?
フランチャイズに加盟すると、本部と加盟店は共通の目的もありますが、利益相反する部分もあります。最も対立が大きいのは、利益の分配になります。もともとは契約する際に「売上の5%」「固定で25万円」など、本部に支払うロイヤルティの額は決まっているのですが、利益が出なくなってきたときに、加盟店にとっては痛い出費になるのです。
よく、フランチャイズ本部は利益が出ても出なくても、ロイヤルティをしっかり取るので、一番儲かるのは本部だと言われます。ただ、フランチャイズに入った加盟店は、ロイヤルティを払い続けることに同意して契約しているはずです。一方的に本部を攻めて良いものではありません。
売上の変動を考慮する
費用には、売上原価にあたる変動費(売上に応じて発生する費用)と固定費(家賃や人件費など)に分かれます。売上が10%減少したときに、費用も同じように減少すれば良いのですが、家賃や人件費は売上に関係なく発生します。
一般的に、小売業は売上が立たなければ、商品在庫はそのまま残ります。厳密にいうと、古い商品がずっと残れば在庫を何処かのタイミングで売りさばかなくてはならないのですが、基本的には売上の増減と商品原価の増減は比例します。しかし、サービス業の場合は人件費が最も大きな費用になりますので、売上の増減に比例する費用はあまりありません。したがって、売上が低迷したときに、費用がそのままかかり、売上の変動に弱い構造になります。
是非、ご自身でフランチャイズ本部から収支予測を渡された際に、予測売上が何%ダウンしても大丈夫か確認してみてください。通常、本部が予測する売上に到達するまでには多少の時間が掛かります。本部予測よりも集客のペースが鈍いことは十分にあるものと想定しておけば、その時の備えをしておくことができます。
一般的に、本部が予測した売上に届かないといってもめているケースは、本部にも問題がありますが、本部が予測した数値を鵜呑みにして何も対策をしていない方にも否があります。フランチャイズに加盟することで、収支予測が甘くなる「思考停止」の状態に陥るケースもありますが、必ず、ご自身の判断で収支予測を再検討してみてください。
フランチャイズは事業者同士の契約であり、本部の予測が間違っていたとしても、本部が一方的に悪いとは見なされません。事業不振の責任は加盟者の方が大きいという判決の方が一般的ですので、ご自身で起業するときと同じく、シビアに計画を立ててください。
あとがき
明日から1週間ほどで、多くの経営計画の内容を確認する仕事をさせていただきます。赤ペン先生になった気持ちで多くの計画を見せていただきます!