昨年の秋にお知り合いになった女性社長さんが引退されるという連絡をいただきました。まだ60歳過ぎなのですが、ご本人は十分だと感じられたようです。
経営者が引退するタイミング
サラリーマン経営者であれば、本人の意図に関わらずに役員から降りるということはあります。しかし、自分が作った会社の場合はどうでしょうか?通常は銀行からの借り入れの連帯保証に入っていますので、辞めたいと思っても事業の行く末を決めないと引退できるものではありません。
本当に引退できるのは後継者(息子でも社内の幹部でも)に代表を引き継いだとき、社外に事業を売却した時くらいでしょう。ただ、一般的には引退することは簡単なことではなく、引き継ぎの年齢は60代後半から70代になったところです。
引退の準備
自分の見ている範囲では、息子に継げるケースは多く有りません。そもそも、会社の経営は浮き沈みが大きいですから、自分でやりたいと思って創業した方は良いのですが、二代目や三代目は苦労します。人間関係も面倒くさいですし、よほどの覚悟がないと引き継げるものではないと考えてしまいます。
外部に引き継ぐのであれば、従業員の雇用を守ってもらう必要がありますし、内部の従業員であれば、株式を買い取ってもらうよう手続きがあります。
また、会社を経営していくことが難しくなっていますので、何よりも次世代の経営計画を策定していく必要があります。
外部からサポートできること
中小企業診断士の場合は、法律的なことはできませんし、相続税の手続きなどはできません。ただ、次世代の経営者と経営計画を策定することはできます。計画通りに行くとは限りませんが、計画を立てた上で変更していくのと、計画もなしに成り行きで進めていくのとでは結果が変わってきます。ベストと思われる計画を立てて、状況の変化によって少しずつ変更していきながら次の計画を立てていくことが必要です。
自分の考えていること
自分はひとり事業が気楽ですので、自分の体力次第で引退を考えます。予定では70歳くらいで引退したいですが、全く仕事が無くなるのもつまらないので、途中で会社は清算して、個人事業に戻すかも知れません。
男性の健康寿命は70歳ですので、その位で退けるよう人生設計もしていかないとと思います。
◆自己紹介
私、山下哲博は、これから創業する方、少人数でビジネスをされている方に特化したビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。
・これから創業したい
・フランチャイズに加盟してみようかと考えている
・ひとりビジネス〜3,4名程度の事業主で相談相手が欲しい
こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。
あとがき
冒頭の女性社長さんの場合は異分野の事業を経営されている方に譲渡されるそうです。試算もあるけど負債もあるので、退職金をいただいて全ての連帯保証を外してもらうとのこと。普通の主婦に戻りたいということですが、従業員40名近くの組織を15年にわたって経営されていたのだから凄いです。