メーカーベンダーというイノベーション

日本経済新聞社に今月掲載されている、アイリスオーヤマの大山社長の「私の履歴書」。とても勉強になっています。

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アイリスオーヤマ社

我が家は妻が園芸が好きなので月に1回くらい近くのホームセンターに買い物に行きます。すると、家の中の便利グッズを見つけることがあります。その多くはアイリスオーヤマ製なので、かねてから興味を持っていたメーカーです。

どうも、「私の履歴書」を読んでいると、ご自身の生活の中から様々なヒントを得て、ユーザーのお困り事を解決するという視点で商品開発に当たっているようです。

 

問屋の壁

私の履歴書を読むと、問屋との軋轢があって、自ら商品を小売店に卸していったようなのですが、順番としてこうなっていたようです。

・1980年に消費者向け園芸商品に進出

・問屋が扱ったことのない「提案型」製品を開発

・問屋は売り方が分からず、アイリスオーヤマの社員が同行で小売店のバイヤーに売り込み

・取引が拡大すると、問屋は取り扱いを削減(どんどん仕入れて、在庫が残ると困るから)

・多くの問屋が売れ残りを気にして、本来出るはずの量が販売されない

 

メーカーベンダー

アイリスオーヤマは仕方なく、新興勢力のホームセンターに活路を見いだして、直接販売を始め、その結果、小売店の品揃えや売り場作り提案、ケース単位でなく単品単位での配送も行うようにしていったそうです。
通常、メーカーは問屋に商品を卸し、問屋が小売店向けの細かなサポートを担当するのですが、メーカーでありながらホームセンターとの直接取引で販路を作っていったようです。

今読むと、「そうだよな」という内容ですが、当時はきっと大変な取組だったと思います。

 

今、ものづくり補助金で「革新的なサービス」について書くことが多いのですが、誰が見ても「これは革新的」という取組ばかりではありません。ただ、その会社の利用客にとって便利なことについては最大限良い方に解釈して、そのメリットについてせつめいすることで「革新的」という説明をしています。

申請書を作成して、結果が出るのは締切の2ヶ月くらい後になると思いますが、1件でも多く、申請が通ることを期待しています。

 

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私、山下哲博は店舗ビジネスの発展支援と資金調達サポートを強みとする、小規模事業者向けのビジネスコンサルタントです。難しいことを分かりやすく、経営者の右腕になるべく帆走型のサポートを行っています。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

あとがき

久々に家電量販店をのぞいてみたのですが、特に欲しいものがありませんでした。最近はテレビが人気らしいですが、家電自体に前ほどのヒット商品がないなと感じました。