東京都は保育、介護に注力する〜舛添都知事、2016年度原案発表より

1月15日に舛添都知事が23年ぶりとなる7兆円もの予算原案を発表しました。23年前といえば、1993年で自分が社会人になった年です。当時は急にバブルが終わって就職活動が大変だったのですが、それでもその後の「失われた20年」を思うと感慨深いです。発表内容と気づいたことを記してみます。

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人に対する投資を最優先

介護・保育・医療人材の確保に対して前年比19%増の338億円を予算化したそうです。確かに、東京都には人口が集中している面もあり、これから急速に高齢者が増えていくので、対策が急務でしょう。

 

介護事業への影響

介護事業は労働環境が厳しい割には介護報酬で人件費が抑えられ、将来に希望が持てない業種の一つでもあります。事業者が収支を均衡させて営業していたとしても、将来、介護保険がどうなるか分からないので、ついつい人件費を抑えた経営になっている面もあると思います。事業主の創意工夫で従業員がハッピーになれるように、事業環境を見直して欲しいものです。

 

非正規雇用対策に倍の予算計上

非正規雇用対策に2倍超の54億円の予算が組まれているようです。果たして全ての人が正規雇用を希望しているとは感じませんが、希望している人に道が拓けるようにして欲しいと思います。

自分も会社を作って社会保険に加入したから感じる事ですが、社会保険が会社・従業員とも負担が大きすぎます。また、会社側の解雇が事実上制限されているなど、企業にとって、正規雇用した後の負担増が怖くて、非正規社員の雇用については慎重になっている面があるでしょう。

予算を組むのは良いのですが、どうして、非正規雇用者が正規雇用されないのか、環境を見直してみるのが良いと思います。また、いつも感じていることですが、現在の高齢者を優遇する一方で、若年労働者から社会保険費用をむしり取る政策は見直してほしいものです。

 

舛添都知事は猪瀬前知事のスキャンダルによる退職で、急遽選ばれた知事ですが、目立つことばかりに終始して、都知事にふさわしい構想や振る舞いをしている様子がありません。景気が良いのは知事の手腕でも何でもありませんし、オリンピックが控えているのも、石原→猪瀬のラインでしっかりやってきた産物です。お金を使うばかりでなく、都政のあり方をしっかりと考えてもらいたいものです。

 

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私、山下哲博は店舗ビジネスの発展支援と資金調達サポートを強みとする、小規模事業者向けのビジネスコンサルタントです。難しいことを分かりやすく、経営者の右腕になるべく帆走型のサポートを行っています。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

あとがき

猪瀬前都知事が当選したときは歴代最多得票を獲得し、その後にオリンピック誘致に成功しました。猪瀬前知事がスキャンダルで引きずり下ろされて選ばれた舛添知事は韓国におもねるばかりで、都民の期待に応えているとはとてもいえない状況です。大盤振る舞いの予算も良いのですが、実効性のあるものにして欲しいと願います。