会社を作るときに、一番最初にするのは法人の登記です。登記が済んで登記簿謄本ができたらすることとして、銀行口座の開設があるでしょう。様々な支払いや入金がありますので、銀行口座がないと業務が回りません。新設法人の法人口座開設について記してみます。
法人の口座は作るのが大変
個人のときは、認め印と免許証を持って行けば、その日のうちに口座を開設することができます。屋号付きの口座については、多少のヒアリングがありますが、その場で窓口の方と話をすれば概ねOKです。
→自分は三井住友銀行と地元の信用金庫で屋号付きの口座を作っていました。
法人で口座を作ろうとすると、登記簿謄本とどのようなビジネスをするのかの説明が必須になります。
メガバンクに口座を作る場合
メガバンクだと、新設法人に対しては非常に厳しいようです。
自分がお世話になっている税理士さんは税理士は個人で税理士業を開業し、コンサルティングの受け皿として株式会社を設立しました。その時にはビジネスモデルの説明をしつこく求められ、口座ができるまでに1週間かかったということです。
もう一人は中小企業診断士の先生で、自宅の住宅ローンを組んでいて、個人事業の口座もあった、開業後20年以上やってらっしゃるベテランの先生です。それでもスムーズには行かなかったようです。
なお、メガバンクに口座があれば、請求書を出すときのイメージは良いです。メガバンクと取引があるんだと思ってもらえます。また、取引先と同じ金融機関だと振り込み手数料が安くなりますので、その面ではメリットもあるでしょう。ただ、イメージと振り込み手数料以外のメリットは無いと考えて良いと思います。
信用金庫に口座を作る場合
自分は地域に密着して営業をしている金融機関に口座を作りました。元々、屋号付きの口座を持っていましたので、名称変更しただけです。登記簿も持って行きましたが、コピーしてすぐに返却してくれました。実は屋号付きの口座を作ったのが2ヶ月前で、その時に副支店長とお話していましたので、実にスムーズでした。
信用金庫に口座を作る場合は、信用金庫の知名度が低い、振り込む際に「他金融機関扱い」になって手数料がかかるというデメリットもありますが、業務上のメリットは大きいです。
自分は口座を作った支店の副支店長にお願いして、本店で企業支援をしている方を紹介していただきました。アポイントを取ってお話をさせていただき、こちらでお手伝いできることやこれまでの実績についてPRすることができました。
金融機関にとってもミラサポなど、外部専門家を使うスキームもありますので、補助金申請などのお手伝いをすることができるという点は、将来にわたって何らかの関係ができるかもしれません。そして、地元密着の金融機関ですので、自分にとっても近くの企業様を支援できそうです。
そして、もう一つは将来の資金融資です。零細企業がメガバンクと親密な関係になることはありませんから、何年取引してもお金を貸してくれることはありません。信用金庫だと、小さな会社の小さな資金需要にも応じてくれる可能性が高いです。自分は口座を作った支店をちょこちょこ訪問して、いずれはお金を借りてみるつもりです。
士業ビジネスには大きなお金はいらないのですが、お金を借りることで親密な関係が作れるのであれば、是非借りるべきでしょう。実際、日本政策金融公庫からお金を借りた後、担当者から電話で最近の動向について情報提供をもらえるようになりました。
メガバンクは大企業を相手にしたビジネスをしている金融機関です。スモールビジネスの場合は、信用金庫さんと地域密着で営業していくべきだと確信しています。
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私、山下哲博は店舗ビジネスの発展支援と資金調達サポートを強みとする、小規模事業者向けのビジネスコンサルタントです。難しいことを分かりやすく、経営者の右腕になるべく帆走型のサポートを行っています。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
あとがき
今日は食あたりでダウン。ひたすら横になって、明日からの仕事に向けて鋭気を養いました。