学研が河合楽器・音楽教室フランチャイズで協力という件

7月31日付で面白い記事を読んだので考察してみます。

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報道内容より

河合楽器が始める音楽教室のフランチャイズチェーン展開を、フランチャイズのノウハウを持つ学研が協力するため、両者が発行済株式の2〜3%を相互に持ち合うそうです。

学研は小学生向けの「学研教室」を全国15,000店舗に展開していて、ピアノを教える「カワイ音楽教室」の中に「学研教室」を開くなど協力関係を築いていたとのこと。両社は海外向けに、算数とピアノが一緒に学べるような子供向け教室のFC展開も共同で進めていくと報道されています。

 

私的考察

学研教室が全国に15,000店舗もあったことは驚きです。コンビニの最大手のセブンイレブンが約18,000店舗なので、それに近い教室数です。また、昨年の出生数が約100万人ですから、小学生の子供の一定数が学研教室で学んでいることになります。学習塾はフランチャイズや大手ばかりでなく、地元に根付いた塾もあるでしょうから、大手の学習塾といえどもシェアを押さえることは容易ではありません。

中学生や高校生だと個別指導塾のフランチャイズがあって、多くのフランチャイズチェーンが競っていて、フランチャイズショーなどに多くの事業者が加盟者募集のために出展しています。ただ、学研さんの小学生向けの塾はそういった多数の人を集めてフランチャイズ開発をしているイメージがありません。表面上の派手な競争もなく、着々と店舗を広げているという印象を受けました。

ただ、多くの業界にいえる事ですが、国内市場だけでは成長に限界があります。特に子供の数は年々減少していますので、どんなにシェアを取ろうが、市場の縮小傾向に抗うのは容易ではないでしょう。この提携の狙いは両社で海外に進出していくこと、その時に学習塾だけでなく音楽も含めて日本式の教育コンテンツを売り出そうとしているのでしょう。

2年ほど前にマカオのフランチャイズエキスポに参加した際、小売・飲食のフランチャイズはバラエティに飛んでましたが、サービスについてはまだまだ種類が少なかったです。公文がいち早く世界進出して世界のあちこちで教室が広がっているように、学研教室+音楽教室の組み合わせも面白いなと感じました。

 

あとがき

今週は4週間にわたって受講している経営改善計画等策定支援研修の最終週です。この研修を受けていると、目新しい知識もあるのですが、どうして中小企業診断士が経営改善計画を策定できないのか不思議でなりません。税理士の先生から会計のことを教わることは良いのですが、経営のことを教わっていると、内容が「付け焼刃」的で違和感があります。