おじが褒章が受けるまで(伝統技能・技術者の生き様)

今日は日曜日、仕事とは関係ない内容です。

九州の有田で焼き物職人として45年にわたって取り組んできた叔父がお国から黄綬褒章を受けるために上京してきました。45年と言えば非常に長い年月です。一つのことに一生懸命に取り組んできて、それが評価されたということで、おじに対するオマージュとして書いて見ます。

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柿右衛門釜にて

おじは地元の有田工業高校を卒業して、地元企業である柿右衛門釜に就職しました。そのときの代表は先々代の13代酒井田柿右衛門だったようです。おじは自分が不器用なのを自覚していて、不器用だからこそ一つのことに打ち込むことができたと言っていました。

その後、年がそれほど離れていない14代に代替わりして、技術者として、後進の教育者として力を発揮することができたようです。

現在は40代半ばの15代に代替わりしていますので、キャリアの面からも15代を支える立場になっています。

黄綬褒章を受けるまで

今から2年前、おじが61歳になったとき(2013年12月)に文化庁長官表彰がありました。会社は60歳で定年退職し、その後は嘱託という身分で仕事をしています。会社員という立場からは退いたというタイミングで表彰の対象として会社から推薦されたようです。

その翌年(2014年4月)には、安倍首相主催の「桜を見る会」に呼ばれ、今年(2015年)秋の褒章となりました。おそらく、来年(2016年)には園遊会に呼ばれるだろうということです。

 

黄綬褒章とは

おじが対象になるまで、褒章といってもよく分かりませんでした。黄綬は商業や工業で他の模範となると認められた方が対象になります。なお、サザンオールスターズの桑田さんが授与されたのは紫綬褒章です。今回は立川志の輔さんが紫綬褒章を受けるようです。

詳しくはこちらに書いてあります。

http://www8.cao.go.jp/shokun/shurui-juyotaisho-hosho.html

 

褒章を受ける人数

今回の褒章では、延べ5日間にわたって、皇居で天皇陛下から直々に授与しているそうです。褒章を受ける人数はおおよそ700人位です。おじの住んでいる佐賀県では受賞者が6名しかいなく、そのうち4名は公務に就かれている方、民間からは2名のみということです。狭き門だなと感じます。

なお、おじは純粋な民間事業者からの選出ということで、地元の新聞紙、テレビ局などが自宅まで取材に来られたようです。おじだけでなく、おばの名前入りの報道もありました。二人にとってはとても嬉しかったことでしょう。

 

叙勲と褒章の違い

勲章をもらう、すなわち叙勲は元○○○という、過去の実績が評価されるものです。一方、褒章は現役の方がもらうものです。おじは45年にわたって焼き物を作ってきたのですが、まだまだ現役ですし、新しい色つけなどにもチャレンジしています。伝統工芸の革新を成し遂げて、それが評価される可能性は大いにありそうです。

 

実業でない民間コンサルタントがこういった表彰を受けることはまず無いと思いますが、長年にあたって愚直に一つのことを極めたおじに大いに刺激を受けました。

 

あとがき

冒頭の写真は叙勲・褒章受章者向けの記念品の展示会場で見かけたお菓子です。菊の紋章のついたお菓子はもったいなくて食べる気にならないように感じます。