先日、公的機関からの引き合いで依頼があったので、まずは経営者のヒアリングをしたい旨回答したら、派遣自体を断られてしまったケースがありました。
改めてヒアリングの必要性を記してみます。
ヒアリングの必要性
コンサルティングは相手のお困りごとがあって、それを解決するためのものです。ただ、企業経営については、まずは相手の状態がわからないと、こっちもどのようなサポートをしたらよいのかがわかりません。
病院に行くと、お医者さんの問診や検査があって、疑いのある症例を絞り込んで、初回の薬の処方箋を書いてくれるはずです。問診に当たるのがヒアリングで、検査にあたるのが各種資料の提供お願いです。
ヒアリングで行うこと
コンサルタントは業界の知識やコンサル先の情報を集めて、仮説を立てるのが普通です。そして、その仮説が正しいかどうかをヒアリングである程度判断します。
また、企業経営における課題を見つけ出すには、経営者が思い描いていることを知り、それができない要因を探し出さなくてはなりません。そして、本来あるべき将来の姿(ビジョンということが多いです)を知るためには、現状の姿(課題がたくさんあります)と過去にされてきたことを知らなくてはならないのです。
いきなり、経営者のビジョンは何ですか?と聞いても答えは出てきませんので、過去にどのようなことをされてきたのか、現在はどのようなことで困ってしまっているのかを十分に聞いて、将来の夢を整理していくというプロセスが重要です。
コンサルティングを必要とされている方にアドバイス
コンサルタントである自分に相談してこられた方は、これから会社を大きくしていこうと考えられている方です。こちらでフィーの支払いのことを考慮して、最初は公的な支援の枠組でお伺いして、今後大きくしていくための課題出しをしてから、定期的かつ継続的な支援を提案しようと考えていました。
しかし、課題出しをするためのヒアリングを渋ったあげく、こちらが有しているノウハウの提供が先だと主張されました。相手の現状把握も出来ていないのに、先にノウハウだけを求められても、相手に合ったものは提供することができません。単に知識だけを吸収したいのであれば、書籍などもありますので、その旨をご案内して今回の支援を辞退させていただきました(元々、先方からお願いされたものであり、こちらが応じる義務はありません)。
先にノウハウ開示だけ求めてこられるというのはレアケースかもしれませんが、今後取り組むべき課題出しができれば、今後の成長に向けて取り組むことが明確になります。単なる知識でなく、社長の右腕として、まさにコンサルタントが対価を要求する場面ではないかというのが当方の考えです。
コンサルタントフィーは高く感じるかもしれません。しかし、新入社員を雇用したときの給料と比較すれば、決して高くはないです。会社から様々な教育支援を行って、入社して何年かしてから戦力になる労働力と、会社に無いノウハウを持っている専門家では価値が全く異なります。新入社員を雇うよりも安価な額で、会社の成長を確実に見込めるようになりますので、「成長の為に必要な投資」と捉えるべきだと考えます。
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私、山下哲博は資金調達サポートとフランチャイズを専門分野とする小規模事業者のビジネスサポーターです。企業の成長戦略をサポートすることで、地域にビジネスの芽が定着できるようお手伝いしています。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
あとがき
今日は、埼玉県某所でフィールドワークのインストラクターをしておりました。寒い一日で、皆さんは本当に大変そうでした。外での調査は、まだ2日続きます。体調を崩される方がいないことを心から願っています。