後継ぎ支援が必要な理由②環境変化に対応する

後継ぎ支援は、多彩な中小企業を残していくためのサポートです。大手が市場を独占するよりも、個性豊かな企業が沢山あった方が世の中面白くなります。

 

経営環境は刻々と変化する

会社はビジネスチャンスに乗じて出現し、チャンスが続いている限りは追い風になって、事業規模が拡大していきます。一方で、チャンスが縮小したり、競争が激しくなったりすれば、自然に任せていては事業規模が縮小していきます。

経営環境の変化といっても、じわじわと来るものもあれば、急に出現するものもあります。じわじわくるものの代表例は少子高齢化や給与所得者の可処分所得の減少でしょうし、急に出現するものの例は新型コロナウイルス騒ぎでしょう。かつてのリーマンショックの時がそうでしたが、市場が消滅するときはあっという間に市場が半分になるケース、9割減になるケースで訪れます。リーマンもそうですが、日産のカルロス・ゴーン元社長が下請の整理を急に始めたことも下請会社にとっては市場の消滅と言って良いでしょう。

 

環境変化への対応

リーマンや新型コロナウイルスのような突発事項はありますが、多くはじわじわと環境変化が不可逆的に訪れます。少子高齢化であれば、急には影響が来ませんが、高齢者の割合が増えて、若年層の人口が毎年減少していくことは人口統計をみれば将来的なトレンドは分かります。そうした環境変化に耐えうる会社と、経営危機に陥ってしまう会社の差はどういうものでしょうか?

自分がこれまで中小企業支援をしている中で感じているのは、危機への備えができているかどうかに他なりません。ある程度確実な未来に対して、何らかの手を打っているのか、放置しているのかで、対応策の優劣が決まってきます。

 

中小企業こそ、環境変化に合わせた経営をする

環境変化に必要なことは、変化を予測し、それに合わせた経営をしていくことです。逆に、希望的観測だけで変化を放置していては、そのうちに本格的な危険シグナルが見られるようになります。残念ながら、危険を放置している会社は多いです。

本来は、環境変化に合わせて毎年経営計画を作っていくのが理想ですが、それが難しければ、経営者が変わる時に、後継者自身が経営計画を作り、状況の変化に応じて内容を変更していくのが良いと思います。経営者が変われば、追い求める理想も違いますし、会社としての理想像も変わってきます。

経営者が変わるタイミングで事業計画をきちんと作成し、周りにも承認してもらうのが良いでしょう。

拝読いただき、ありがとうございました。
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