セブンイレブンがロイヤルティを減額、インパクトを試算してみた

セブンイレブンがフランチャイズ加盟店向けのロイヤルティを減額することがニュースになっています。ロイヤルティを1%下げるという報道ですので、実際の金額を試算してみました。

セブンイレブンの売上規模とロイヤルティ額

セブンイレブンの店舗数と売上はホームページで公表されています。

少し古いのですが、平成27年度末の売上4兆2910億円、店舗数18,572店です。

平均すると1店舗当たりの売上は2億3104万円と算出されます。

そして、Cタイプのオーナーが払うロイヤルティ額は本部取り分が54%〜74%となっています。ちなみに、24時間営業を行わない店舗だともう2%上乗せになります。

※日本フランチャイズチェーン協会のサイトに公表されている情報開示書面より
http://fc-g.jfa-fc.or.jp/article/article_36.html

 

店舗が払うロイヤルティ額の試算

セブンイレブンのロイヤルティは1か月の売上総利益(*売上-仕入だが、商品廃棄損のところは計算方法を良く確認してください)に対して前述の54%〜74%が本部の取り分になります。この割合については、店舗家賃や建設費用が本部持ちになりますので、割合が高くなるのはいたしかたないところです。

簡単に試算してみたのが以下の表になります。

売上については、公表されている売上高から店舗数を割ったもので、粗利率は便宜的に30%で計算しました。そしてロイヤルティは粗利550万まで段階的に上がっていきますので、それを考慮して計算しています。なお、ロイヤルティの計算は粗利の月額から計算しますので、年間ロイヤルティは単純に12で掛け、1日当たりは30で割って算出しています。

もともと、粗利率が正確でないので、参考程度にみてください。

 

 

ロイヤルティ1%減の効果

こうしてみると、月額ロイヤルティが354.9万円ですので、1%だと3.5万円程度です。報道ではアルバイトの時給増加分を考慮してロイヤルティを下げるということですが、24時間×30日=720時間です。時間当たりで48.6円になりますので、時給増加分のカバーとしては一定の効果がありそうです。

 

コンビニはいろいろと批判されることも多いのですが、便利なインフラですし、トップのセブンイレブンは1日で63万円も売上を出す驚異的なお店です。コンビニの強さは良い商品を良い立地で的確に販売していることですので、「強い本部」であることが重要です。ロイヤルティを下げて加盟店の経営を助けることは重要ですが、強い本部で有り続け、良い商品を引き続き開発して欲しいと感じました。

 

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、これから創業する方、少人数でビジネスをされている方に特化したビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

・これから創業したい

・ひとりビジネス〜3,4名程度の事業主で相談相手が欲しい

・フランチャイズに加盟してみようかと考えている

こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。

 

あとがき

NHKのニュースを見ていて、ロイヤルティ1%のインパクトがどんなものなのかを知りたくて計算してみました。

ちなみに、1万8千店舗のロイヤルティを月額3.5万円減らすと、本部収入は毎月6.3億円が減る計算になります。