近所のサンクスがファミリーマートに看板替えします。ちょうど看板の設置工事をやっているのを見て、看板替えの負担について考えてみました。
フランチャイズ店舗の看板について
フランチャイズに加盟すると、義務の一つに「看板など標識の設置」があります。加盟店は加盟金を払って、本部が定める基準の店舗を出店する義務が課せられます。他にも義務は沢山ありますが、看板設置は店舗のオープン時に本部スタッフが見に来て、必ず確認することの一つです。
フランチャイズ店舗の看板替え
今回はファミリーマートとサンクスが経営統合することに伴って、サンクス店舗が一斉にファミリーマートの看板を付けることになりました。コンビニは店舗が多いので莫大な費用がかかるでしょう。
ここで問題になるのは、看板替えの費用を本部が負担するのか、店舗が負担するのかという点です。通常のフランチャイズ契約では、加盟店が負担するのが原則です。店舗は加盟店の負担で作るものであり、看板も加盟店負担で設置して減価償却していくのが通常です。加盟店の資産である看板を本部が負担して改修したら、本部が加盟店に看板を贈与することになってしまいます。
看板の形状は店舗それぞれ
看板の目的は、利用者に店外から店舗を認知してもらうことです。ビルの中の店舗であれば、看板と行っても標識程度になりますが、ロードサイド店舗だと遠くからも見える看板を設置する必要があります。時速50キロで車両が走行しているバイパス道路だと、信号2つ位前からの予告看板、店舗の看板は10メートルのポール看板を設置することも珍しくありません。
したがって、店舗看板といっても店舗それぞれです。
コンビニの看板は本部負担のケースが多い
通常のフランチャイズであれば、加盟店が自分の資産を改修するという考え方になるのですが、コンビニの場合は事情が異なります。契約によって、本部が店舗を用意し、本部から賃貸するケースが大半だからです。
これは、加盟者の初期費用の負担を減らすという目的と、好立地をいち早く押さえるという目的の両方があります。本部によって契約は異なりますが、店舗家賃は売上総利益に対する一定の割合で負担するロイヤルティに含まれています。
今回のファミリーマートとサンクスの経営統合においても、店舗資産が本部の資産である以上は、本部経費で看板を変えたのではないかと思われます。
フランチャイズに加盟すると、予め出来上がったビジネスモデルに従って商売することが出来、スタートアップが早いというメリットがあります。一方で、加盟するときに想定していなかったことが起こりますので、契約書の意味するところを正確に把握する必要があります。
本来は、契約前に専門家が見るのが一番ですので、気になる方はお問い合わせください。
◆自己紹介
私、山下哲博は、これから創業する方、少人数でビジネスをされている方に特化したビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。
・これから創業したい
・フランチャイズに加盟してみようかと考えている
・ひとりビジネス〜3,4名程度の事業主で相談相手が欲しい
こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。
あとがき
コンビニ業界は上位3ブランドで全体の店舗の9割を占めるとか。中国の三国志ではありませんが、バランス的にちょうど良いのかも知れませんね。