事業再構築補助金、第8次申請内容で感じた傾向(私的感想)

本日、事業再構築補助金の8次公募が締め切られました。第1回からお手伝いしてきて、だんだんと申請内容が変化してきている印象があります。

全くの新規事業から、これまでの事業につながりのある新事業に変化してきているように感じています。

事業再構築の定義

事業再構築補助金の申請には2つの要件があります。

①コロナ前よりも売上が減っている
②思い切った事業再構築(新分野展開、業種・業態転換など)に取り組む

多くの事業者はコロナで少なからず影響を受けていて、売上減少の要件を満たすという要件は満たしています。ただ、思い切った事業再構築という定義を満たすのが大変です。
製品の新規性と市場の新規性を満たす必要があるからです。

製品の新規性

①過去に製造等した実績がないこと、②製造等に用いる主要な設備を変更すること、③定量的に性能又は効能が異なること

市場の新規性

既存製品等と新製品等の代替性が低いこと

 

増えてきている案件

事業再構築の中に「業態転換」という種別があります。こちらだと市場の新規性は問われず、①製造(提供)方法等の新規性要件、③商品等の新規性要件又は設備撤去等要件が問われます。

何らかの設備を導入して製造(提供)方法を変更し、これまで取り扱っていなかった製品(サービス)を提供すればOKです。

業態転換の事例①営業プロセスの変更

製造業:これまで営業マンが大口顧客へ営業に出かけていたが、コロナの影響もあって実際に営業に行くのは全面的に止めて、オンラインでの受注を受ける方式に転換。オンライン販売のシステム導入に補助金申請

業態転換の事例②雑誌広告取次から広告媒体運営に転換

広告代理店:これまで雑誌広告やイベント開催が売上の中心だったが、繁華街にLED広告トラック運行する広告媒体運営に転換。

新事業展開の事例

一方、業態転換でなく「新事業展開」で申請している内容ですが、全くの新規事業というよりは、設備投資でこれまで作っていなかった製品を作れるようにしたという案件の申請をお手伝いしました。
全くの新規事業だとリスクもありますので、事業として軌道に乗せやすいです。

製造業:新たな加工設備を導入し、これまで作れなかった種類の部品を製造できるようになる。これまでは量産品製造に特化していたが、納品実績のなかった業界に対して特殊な試作品製造を行う

 

9次募集は今月中に開始

事業再構築補助金の今年度中の募集が急遽1回追加になりました。

事務局からの案内されているスケジュールは以下の通りです。

公募開始:令和5年1月中下旬予定
応募締切:令和5年3月中下旬予定

なお、通常は前回の申請で不採択の事業者が再挑戦できるのですが、9次募集については、8次募集の結果が出る前に応募を締め切るようです。
従って、何回も応募することで「不採択理由を中心にブラッシュアップされた申請」と競争しなくて済むので採択されやすいのではないかと予想しています。

なお、第10回公募については3月下旬から開始予定ですが、年度替わりで補助金の内容が変更されます。そちらについては公募要領が発表されたらまとめたいと思います。

9次募集に興味をお持ちの方はお問い合わせいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

《あとがき》

9次募集が始まるということで早速打ち合わせが入ってきています。以前と違うのは、オンラインでなく、打ち合わせに来てよと言われることです。

まだまだコロナの流行は続いているのですが、意識としては日常生活が戻ってきた感じです。戻っていないのは夜の飲み会ですね。