事業承継は経営再建でもある〜後継者の経営計画策定をお手伝いする専門家が求められる

自分がお世話になっている公的機関の責任者が中小企業診断士を相手にセミナーすることになって、さすがのその方も緊張されているようでした。ただ、今年度になって事業承継だけで100件近くされていますので、その知見はなかなか凄いものです。

公的機関に持ち込まれる事業承継案件

事業承継というと、「資産の承継」「節税」といったことがクローズアップされます。

ただ、公的機関に支援要請がある案件については、そういう案件は回ってきません。

多くは、事業承継の前に経営立て直しが必須です。

先日担当した案件は年商3000万円なのに、繰り越し欠損金8000万円超えでした。もちろん債務超過で自己資本▲4500万円でした。

そうなると、債務超過解消は無理でも、収益が出る会社の構造にしてからでないと、とても引き継ぎできません。

 

公的機関の事業承継案件の定性データ

持ち込まれた案件の財務データを打ち込んだリストがあるのですが、半分の企業は前年度赤字、債務超過の両方が揃っていました。ただ、自分も案件支援にかかわり、ヒアリングしていましたので、8割の企業は「事業承継の前に収支改善が必要」と感じています。

そして、持ち込まれる案件の経営者は7割が70歳以上でした。中には80歳近くでも「まだまだ」とおっしゃっている元気な経営者もいました。

その他、案外多かったのは後継者(社長のご家族)が独身というケースです。独身でも良いのでは?と思うかもしれませんが、経理を誰に任せるかという問題が出てきます。お金のことは絶対に裏切らない人に任せないと不安が残ります。

 

事業承継の論点は、後継者の経営計画策定

事業承継の論点を現経営者に当てると、いつ代表を退くか、持ち株をどうするかということになってきます。ただ、実際は経営を引き継がれる後継者が万全の状態にできるようサポートすることが重要です。リレー競技で、次に走る人はバトンをもらう前に助走を付けているからバトンタッチの後に全力で走ることができます。準備ができていないとトップスピードにのるまでに時間がかかりますので、助走を付けてあげるのがコンサルタントの仕事です。

 

事業承継、これから5年ほどは案件が増えそうです。自分もその中に関わっていきたいと思います。

ご興味ありましたらお問い合わせください。

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、経営革新等認定支援機関の登録をしているビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

・創業:創業資金を確保するための事業計画を作りたい

・新事業挑戦:新しい事を始めるための計画を作りたい。事業評価を行いながら失敗しないように取り組みたい。補助金や融資など、これからの事業に必要な資金を調達したい

・多店舗展開、フランチャイズ:これから事業を大きくしていきたい。組織を急拡大したい

こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。まずはご相談だけでも問題ありませんので、お気軽に問い合わせていただければ。何らかのヒントはご提供できると思います。

 

あとがき

冬季オリンピックが終わったばかりですが、未だに選手団の凱旋帰国のニュースばかりです。メダルの有無にかかわらずサポート体制を作ってあげたいなと感じます。