自動車業界の調査には「日刊自動車新聞」〜専門誌を1年読んで業界動向を把握する

今月中旬締切で、自動車業界のレポートを書いていました。主に、中古車流通に関与するプレーヤーの動向が中心でした。

 

業界新聞(電子版)の効用

自動車業界のレポートについては6,7年前から定期的に書いています。テーマはその時々によって異なるのですが、レポートを書くにあたっては様々な情報源に当たって、大きな流れをつかむ必要があります。

レポートを書く際に役立つのは専門誌(電子版)です。いつも読んでいる日経の電子版に加えて、業界の専門誌を電子で読みあさります。バックナンバーをすぐに入手できるので本当に便利です。今回は自動車業界のレポートだったので、日刊自動車新聞の記事をひたすら読みあさりました。

 

電子版が普及する前の情報収集

以前は国会図書館に行って新聞を読みあさって来ましたが、新聞を請求し、コピーを依頼してというやり取りが必要であり、一日仕事になってしまいます。国会図書館はコピー代が高い(新聞だとA2サイズで1枚100円)なので、コピーだけで3千円から5千円くらいかかってしまいます。また、そんなサイズで手元にあっても仕方ないので改めてA4まで縮小しますので、非常に無駄が多いです。

 

電子版の使い方

電子だと膨大なバックナンバーから情報を引っ張ってこれますが、逆に意志がないと情報が入って来ません。そのため、自分の中でテーマや仮説を考えながら情報を引っ張ってきます。テーマに沿ったキーワードを入れると、過去1年くらいのデータはスムーズに出てきます。

 

テーマ・仮説の例

例えば、こんな感じです。

テーマ:新車ディーラーの中古車販売取り組み

仮説:新車ディーラーといえども、中古車販売を強化しているはず。自動車市場が縮小する中、中古車販売は若者や高齢者との接点を作るために重要。

 

テーマ2:中古車販売店の対抗策

仮説2:状態の良い車両仕入では新車ディーラーにかなわないので、低年式車両を保証付けて販売する事に活路を見いだしているはず。

 

新聞活用の留意点

新聞を読むだけでは新聞と同じ論調のレポートになってしまいます。自分は新聞で仕入れた情報をお土産にして、実際に商売されている事業者さんに取材に行きます。最初は面倒くさがっている事業者にとっても、過去1年間の新聞記事を把握している相手を粗末にすることはありません。様々な仮説をぶつけてみることで、新聞では気づかなかった情報が入って来ます。

 

自分は業界を俯瞰したレポートを定期的に書いています。それはコンサルティングの仕事をするときにも状況把握に非常に役立ちますし、経営者とは異なる視点からディスカッションすることができます。戦略を考える際の外部環境把握につながるものになりますので、今後も多くの経営者のお役に立ちたいと考えています。

 

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、これから創業する方、少人数でビジネスをされている方に特化したビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

・これから創業したい

・ひとりビジネス〜3,4名程度の事業主で相談相手が欲しい

・フランチャイズに加盟してみようかと考えている

こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。

 

あとがき

近所に保存されている大木の桜が満開になっていました。今週末はお花見楽しみですね。