手元資金は足りていますでしょうか?〜経営に必要なのは利益よりも現預金

最近は手元資金が十分にない企業様からの支援要請を受けるケースが増えています。会社に必要なのは利益よりも現金・預金です。

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倒産について

よく「○○社が倒産したよ・・・」と言われることが多いのですが、倒産については厳密な定義がありません。毎年赤字の会社でも普通に経営している会社は沢山あります。その一方で「黒字倒産」という言葉もあります。

倒産とは、手元にお金が無くなって支払いができなくなり、信用を毀損してしまって経営を維持できなくなることを指すのが一般的です。支払先には、取引先や従業員への給料があります。普通は、取引先への支払いが滞れば、取引の見直しになりますので、仕入ができなくなるというトラブルにつながります。従業員にしても、給料がないと生活できませんので、遠からず他の仕事をするようになってしまいます。そうなると事業を維持できなくなるのです。

 

財務諸表は「純資産」と「現金・預金」を見る

自分は、初めての会社の財務諸表を見せてもらうときに、損益計算書を見て儲かっているかどうかを判断します。ただ、中小企業だと節税のためにわざと赤字にする会社が多いので、それだけでは十分ではありません。

そのため、純資産(総資産から負債を引いた額)と現金預金を見ることにしています。

 

純資産

純資産については、割と「債務超過」になっている会社が多いです。債務超過は負債が総資産を上回っている状態です。会社を設立する際に資本金を積みますので、最初は資本金の中でやりくりしますが、何かに投資する際に融資を受け、その後も赤字が続いて、資本金を食いつぶしている状態です。

債務超過になると、それ以上の借入ができなくなると教わったような気がしますが、実際にはそういう会社が沢山あるのです。それでも、通常は追加借入が難しくなるので、これ以上の赤字拡大は止めないとなりません。

 

現金・預金

たとえ債務超過に陥ったところで、手元に現金があれば直ぐには会社はつぶれません。手元の現金で支払いはできるからです。

ただ、事業が赤字基調であれば、いずれ手元現金はなくなります。手元に現金がある内に経営を改善しないとなりません。逆に、事業が黒字であっても、現金が手元にないと経営は危ういです。

 

例えば、こんな会社がありました。

売上1,000、当期利益100 ただし、売上の半分は現金商売だが、残りは法人相手で入金は2か月遅れ。

手元現金100、原料仕入に毎月300、従業員への給料に300支払

 

この場合、法人からの入金が遅れてしまうと、売上1000のうち500が入ってこなくなりますので、支払いが厳しくなります。事業が黒字であっても、資金繰りについては厳しいといえるでしょう。

 

資金繰り気にせずに済む、運転資金の確保

資金繰りを気にしなくて済むようになるには、運転資金を把握して、運転資金を余裕持って確保しておくことです。どの位あれば適正かということについては考え方はいろいろですが、自分はこのくらい欲しいと考えます。

・売上と入金の差額→この場合は500

・仕入を確保する→この場合は300

 

手元に800の現金があると、資金繰りを気にしなくて済むようになります。(経営者によっては、人件費も確保しておきたいと考えるかもしれません)

 

資金を確保するには

一番良いのは、事業で黒字を重ねていき、内部に留保していくことですが、それだと時間がかかります。事業に必要なお金であれば、経営計画を書いて、金融機関から借りる方が成長のチャンスをつぶさずに済みます。
→実際、内部留保していこうと思うと、利益に対して課税されますので、税引き後の利益分しか貯まっていきません・・・

金融機関との長年の取引によって信用が出来ていれば、決算書や試算表を出せば借りられると思いますが、そういう金融機関が無ければ経営計画を書いて説明するよりありません。

経営計画の作成であれば、専門家のサポートを受けるのも手です。
当方は経営計画、経営改善計画など手がけておりますので、お気軽にご相談ください。

 

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私、山下哲博は店舗ビジネスの発展支援と資金調達サポートを強みとする、小規模事業者向けのビジネスコンサルタントです。

・補助金や事業計画のサポート

・売上増加につながるご支援

難しいことを分かりやすく、経営者の右腕になるべく帆走型のサポートを行っています。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

あとがき

昨日から研修の仕事で泊まっているのですが、急に涼しくなりました。半袖ワイシャツしか持ってきていないので、少し困りました。