ネットとリアルの融合を考える③飲食店の持ち帰り

飲食店はピークの時間がランチタイムと夜に偏ってしまいます。そのため、店内の座席数がいくつで、それがピークタイムに何回転するかで売上の大枠が決まってしまいます。そのため、更に売上を増やすために「持ち帰り」をおこなっている店舗も少なくありません。飲食店の持ち帰りについて考察してみます。

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お弁当営業による「持ち帰り」

飲食店のランチタイムは12時から13時までというのが一般的です。多少は前後にずらしてお昼休みを取れる会社もあるでしょうが、それほど極端には時間がずれません。そのため、11:30から13:30の2時間が勝負になります。食器を下げても洗う余裕がないので、カウンターの一部を水飲みグラスの下げスペースに活用する店舗もあるくらいです。

ランチタイムの弁当営業は座席の数という店舗の制限を取っ払うのに効果的です。通常はオーダーを受けてから調理して店内で食べてもらうので、ファストフードのようにオーダー後にすぐに出せる業態でない限り、早くても1回転するのに30分掛かります。

お弁当にして持って帰ることができるようにすることで、お弁当を作り置きすることができます。注文が入らなければお弁当は廃棄処分になりますので無駄になりますが、従業員に対する「まかない」などで多少は消費することができます。何と言っても、お弁当だと選んで貰ってお金を払って貰うだけなので、多くのお客様をさばくことができます。

 

持ち帰りにインターネットを活用する

持ち帰りのシステムを、一層効果的に活用しているのが回転寿司の業態です。回転寿司は元々店内での飲食と持ち帰りの両方を提供していますが、寿司は生ものなので、作り置きすることができません。そこで回転寿司チェーンで活用が進んでいるのが、スマホアプリを活用して、事前に注文して貰い、受け取り時間を登録してもらうことで、その時間に作っておくというものです。

回転寿司はピーク時に大混雑してしまうこともありますので、アプリを使って事前に座席の予約をしておくこともできます。持ち帰りと店内での飲食を待たせずに済ませることができるようにすることで、顧客満足にもつながります。

 

インターネットを活用することで飲食店の現場のオペレーションが大きく変化します。フランチャイズは成功したモデルを標準化して、オペレーションをマニュアル化して横展開していくのですが、環境の変化によって、オペレーションも変化させていかないとなりません。業態のブラッシュアップと言われますが、絶え間ないブラッシュアップによって店舗の競争力が高まるチェーンと、あまり変化がなくて競争力が落ちていくチェーンがあります。

フランチャイズの本部を構築する際には、現場で起こっている課題を認識して、組織として課題解決に取り組んでいく必要があります。加盟店からのロイヤルティを元に進化を続けるチェーン作り、応援させていただきます。

 

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私、山下哲博は調査とフランチャイズを専門分野とする、小規模事業者のビジネスサポーターです。創業やフランチャイズを含む多店舗展開、店舗の売上向上など、サポートしています。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

あとがき

プロ野球で、自分の応援している東京ヤクルト・スワローズが14年ぶりに優勝しました。就任1年目の真中監督の「つばめ改革」が早々に成就です。昨晩は夜8時に帰宅してから夜の12時までずっと野球中継を見てしまい、久々に夜更かししてしまいました。