バブル時の箱モノ再生~有田ポーセリンパークが当初と違うコンセプトで運営されていた

飛び石連休を利用して佐賀に帰省していました。佐賀に住んでいたことはないのですが、現在は母と祖母、おじおばなど、子供のころから可愛がってくれた親戚が沢山いますので、定期的に顔をだしています。

今回もあちこち観光してきたのですが、バブルのころにできた有田ポーセリンパークに圧倒されました。

有田ポーセリンパーク

この施設はバブルがかげりを見せた1993年に、陶器である有田焼のテーマパークとして開業されました。当時は佐世保にオランダ村があり、その近くにハウステンボスもありましたので、またテーマパークが出来たという印象でしたが、焼き物を見るのにお金払いたくないなと思って、自分は行ったことがありませんでした。

この施設の目玉は、ドイツ・ドレスデンのツヴィンガー宮殿を模した大きな宮殿ですが、全体の広さは42ヘクタール(42万平方メートル)という広大な施設です。

 

長崎のテーマパークは経営破綻が相次いだ

ハウステンボスは経営難に苦しみ、野村証券がスポンサーに付いたこともありましたが、HISが経営に参画するまでは赤字経営が続いていたようです。オランダ村も破綻していますし、有田ポーセリンパークがいまだ続いているのが不思議でした。

 

再生過程で、有田焼から、シンボルタワー+お土産・飲食施設へ

ポーセリンパーク近くに行って目についたのは「のんのこの郷」という看板です。今は、宗政酒蔵という酒造メーカーがスポンサーになって運営されていて、のんのこというお酒は同社の看板商品でした。

中に入って目立つのは巨大な宮殿ですが、中国語でメニュー写真が書かれたバイキングレストラン、免税のドラッグストア、のんのこを初めとした商品が売られているお土産屋が入口近くに並んでいます。

建物は一度見れば十分ですが、観光客向けの飲食と土産屋として何とか事業を成り立たせているようです。

↑広大な敷地の中に、有田焼の陶房を模した所がありました。

こういうところで焼き物作りの体験ができたりすると印象に残るでしょうね。

 

宮殿の意外な活用

宮殿内部は正面から右と左に分かれています。入口から向かって右は焼き物で有名な香蘭社のギャラリーで、海外から里帰りしてきた大型の陶器が沢山展示されています。左側は普段は閉まっていて、中国人団体客が来た時にショッピング用に開けているようです。自分が行ったときはクローズされていました。

建物の外にはコスプレの撮影をしているグループが2組ほどいました。宮殿をバックにすると、まるで海外の風情であり、コスプレの聖地になっているようです。

箱ものの再生、ビジネスモデルを明確にすることが必要

この施設はバブル期に作られたようですが、おそらく、一度行ったら次は行かなくてよい施設だったのでしょう。単に壮大な宮殿と焼き物の展示だけなら、敢えて入場料を払う理由はありません。

ゴールデンウイークやシルバーウイーク等の時期に、有田の町は陶器市でにぎわいますが、普段使いできる陶器が安価で購入できることが人気の秘密です。今は普段から楽しめるお酒のテーマパークという側面もあります。

また、ターゲットを海外観光客に絞って、食事や買い物を提供しする点で施設としての価値を明確にしています。

ハウステンボスも現在の経営に代わってから、オランダというテーマにこだわらず、漫画のワンピースや夜景、ロボットが接客するホテルなど、次々に新しいことを仕掛けて、人気観光地としての評価を固めています。

 

事業計画の肝は、ターゲット設定とニーズに合わせたコンテンツ提供

単に、大きくてお金のかかったハードをつくるだけでなく、施設の利用客を明確に描いて、それに合わせたコンテンツ作りをしていることが人気の秘密なのではないかと考えます。

事業計画の基本は、ターゲット設定と、ターゲットニーズを明確にした商品化です。なんとなく作った箱モノが、経営が変わって再生しているのを見て大変勉強になりました。事業計画の策定を検討されているのであれば、第三者の目線で説得力の高い内容を作りこめるようお手伝いします。

 

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、経営革新等認定支援機関の登録をしているビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

・創業:創業資金を確保するための事業計画を作りたい

・新事業挑戦:新しい事を始めるための計画を作りたい。事業評価を行いながら失敗しないように取り組みたい。補助金や融資など、これからの事業に必要な資金を調達したい

・多店舗展開、フランチャイズ:これから事業を大きくしていきたい。組織を急拡大したい

こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。まずはご相談だけでも問題ありませんので、お気軽に問い合わせていただければ。何らかのヒントはご提供できると思います。

 

あとがき

北九州に行くと、日本人観光客よりも韓国人や中国人の方が多いです。長崎平和公園は沢山のツアーが来ていましたが、核兵器の根絶につながってほしいです。