シルバービジネスのキーワード、健康寿命を意識する

先週、シルバービジネスとフランチャイズを掛け合わせたセミナーを実施しました。シルバービジネスというと、介護や富裕層を意識する方が多いと思いますが、実は、それはシルバー市場の一部の局面でしかありません。キーワードの一つ、「健康寿命」について掘り下げてみます。

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健康寿命とは?

健康寿命の端的な定義は「健康上の寿命が無く、日常生活を普通に送れる状態」です。厚生労働省が平成25年に発表した健康寿命は、男性が70.42歳、女性が73.62歳です。

そして、同時期に発表された平均寿命は男性が79.55歳、女性が86.30歳です(最新の発表では男性の平均寿命は80歳を超えたのですが、健康寿命との比較上、その前に発表された数値を使います)。つまり、男性は9.13年、女性は12.68年の間、健康に問題を抱えながら残された時間を生きていくことになるのです。

 

定年から健康寿命までの過ごし方

年金の支給年齢が65歳に繰り下がったことを受けて、定年の年齢が65歳に引き上げられようとしています。現実的には、60歳で一回定年退職して、その後は嘱託という形で継続して働いている方も多いです。

ただ、65歳という年齢で仕事から解放されたとしても、男性の健康寿命は70歳ほどであり、健康に問題がないと言えるのは5年程度しか残されていないとは切ないものです。

健康寿命を延ばすには、日々の生活に運動を取り入れたり、ご近所さんとのお付き合いなどで「生き甲斐」を作っていくことだと言われます。ただ、実際には、図書館でやることのなさそうな高齢の方が沢山いて、黙々と本を読まれていたりするのが現状です。

 

介護からコミュニティ作りに重点が移るのではないか?

これまでシルバービジネスというと「介護」が本命でした。ただ、介護が必要になる前の方々の方が母数が大きいです。高齢者といっても十把一絡げで、コンディションはそれぞれ異なります。ただ、介護を必要とする年齢を遅らせるという点では、誰もが必要としているのではないでしょうか。脳梗塞などの病気で介護が必要になるケースもありますが、一般的には家に引きこもりになったり、怪我して動けなくなって寝たきりになる等のケースが中心でしょう。

そのため、高齢者向けのコミュニティづくり、健康づくり、共通の趣味を楽しむ為のサービスなど、高齢者に特化したサークル活動などが求められてくるのは間違いありません。

国の施策でもコミュニティビジネスを支援する動きが進んでいますし、事業者の柔軟な発想と高齢者を結びつけるようなサポートをしていきたいと考えています。

 

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私、山下哲博は資金調達サポートとフランチャイズを専門分野とする小規模事業者のビジネスサポーターです。創業や新事業へのチャレンジによる資金調達のお手伝いをしています。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

あとがき

この週末はフィールドワークの立ち会いで都内からほど近い団地におりました。団地と言えば高齢化が進んでいるところが多いのですが、子供の嬌声が響く団地を久々に訪れました。