カフェと聞いて、どこのチェーンを想起されますか?これまでだったらスターバックスやドトールだったと思います。ただ、最近伸びている業態はセルフ式ではなくフルサービスの業態であり、新聞で報道されていたのはコメダ珈琲店でした。
出店は過去最多。関東・関西で攻勢
コメダ珈琲店は2015年2月期に606店舗あったそうですが、2016年2月までの見通しで90弱の店舗をオープンするそうです。もともとは中部エリアが地盤で、関東や関西で広げてきたのですが、その他の地域にも出店していくそうです。このチェーンの特色は、サービスや食事が充実していることで、郊外のロードサイド店を充実させていくそうです。
もっかの目標は1000店舗出店で、今後も年間80~90店舗の出店を目指していくそうです。そのうち、FCの比率がどの位かは不明ですが、直営でこれだけ多くの出店を短期間に行うのは容易なことではありませんから、かなりの割合がFCだと推測されます。
フルサービスの喫茶店が指示される理由
ゆったり滞在できるという点が、シニア層や主婦に受けているのだと思います。今や人口の4分の1が65歳以上の方であり、自宅以外で静かにゆっくりと過ごせるという点が受けているのでしょう。スターバックスなどもゆったり過ごしてもらうというコンセプトがありますが、どちらかといえば駅前にあり、利用者の入れ替わりは速いです。中にはパソコンで仕事をしている人もいますが、読書をしながら長い時間を静かに過ごすという雰囲気ではありません。飲み物を注文して受け取ってから自分で席を探すというスタイルも年配の方には馴染めないかもしれません。
店舗を増やしているのは、コメダ珈琲店だけではありません。ドトール・日レスHDが展開する「星乃珈琲店」や銀座ルノアールが展開する「ミヤマ珈琲」なども店舗を増やしています。銀座ルノアールは都市部で「喫茶室ルノアール」を展開していますが、ミヤマ珈琲は郊外のロードサイドで展開しています。
年だと不特定多数の方の利用が見込めますが、郊外だと使う人は限られた人になってきます。高級すぎないほどほどの店内の雰囲気と、日常生活の延長ともいえるメニュー内容とで、地域の方がいつも集まってくる場所という昭和の喫茶店が復権してきたように感じます。
誰に、何を、どうやってと考えるのが店舗コンセプトですが、シニア層をはじめとした近所の住民が、珈琲を通じたひとときを、気構えすぎずにゆっくりと過ごせるフルサービス業態の喫茶店、初期の開業コストは高額ですが、これからも伸びそうな業態です。
あとがき
これを書いている私も喫茶室ルノアールのファンです。長居して仕事できるので非常にはかどります。席によってはパソコン用のコンセントもありますし、スターバックスほど混まないので、気兼ねなく仕事できます。