追い風を受けてサービス業が好調!ビジネスチャンスを探る

今朝の日本経済新聞で、サービス業の業況調査が発表されていました。2015年の売上高が前年比6%増になる見込みということです。2014年度は前年比ダウンだったことを考えると、今年度はサービス業にとって追い風を受けた一年だったようです。

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第33回サービス業総合調査より

この調査は日本経済新聞社が8月〜翌7月に決算期を迎えた企業の決算状況より、サービス業の業種別動向について調べているものです。私は毎年この新聞記事を読んで、翌年のセミナーに活かしています。

 

好調なサービス

全業種で最も好調なのはカーシェアリングのようで、前年比約40%増と報じられていました。自分もカーシェアリングの調査レポートを執筆することがあるのですが、最大手のパーク24(タイムズカープラス)が2014年10月期に永年の課題であった事業の黒字化を達成しています。タイムズの駐車場は都市部を中心にあちこちにありますので、自動車の維持費がかさむ都市部では今後も需要が伸びていくことでしょう。

その他にも、家事支援のサービスが絶好調で、前年比売上が約20%増と報じられています。家事支援には2つの追い風があり、1つは女性の社会進出、もう1つが高齢者の増加です。女性が外で仕事をする分、家庭の可処分所得が増えるので、その分を「外注」すれば合理的という考え方も広まっています。特に、若い世代は持ち家やマイカーなど、モノに対する執着が薄れていると言われていますので、モノを持たない分、サービスにお金を掛けるという考え方が定着しているようです。

 

良くなかったサービス

一方、売上を落としているのはパチンコホールとエステティックです。

パチンコについては、公営ギャンブルが苦戦している通り、若年層を十分につかみきれていないように感じます。パチンコや公営ギャンブルはある程度金銭的な余裕がないと楽しむことができませんが、若年層を中心に通信費などに支出が回って若年層を店舗に引きつけることができずに、顧客層が高齢化しているように感じます。

エステティックについては、施設が増えて競争が激しくなったことで、単価引き下げが進み、売上が下がっているように感じます。自分は男なのでそれほどサービスに興味を持っている訳ではありませんが、電車に乗ると中吊り広告などでお試しサービスの告知を見かけます。広告を出すような大手が利用客を取るための価格引き下げを行うと、中小も追随せざるをえませんので、客単価の減少につながっているように感じます。

 

過去との比較

2年前との比較でみてみると、2年前に最も好調だったサービスが「結婚紹介サービス」でした。2年前の2013年は東日本大震災を受け、「家族」の大切さが見直された影響で「婚活」がもてはやされていました。

ただ、仕事をしている女性が結婚しても、その後も同じように仕事をして、独身時代に培ったライフスタイルを大切にしているとも言われています。2年前に結婚した層が、仕事もするし、自分の時間も大事にするしで、「家事代行サービス」を求めるようになったのかもしれません。

 

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私、山下哲博は資金調達サポートとフランチャイズを専門分野とする小規模事業者のビジネスサポーターです。企業の成長戦略をサポートすることで、地域にビジネスの芽が定着できるようお手伝いしています。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

あとがき

11月は2週間にわたる研修の仕事を受けている関係で、今週・来週に予定が入らなかった分は全て12月に回しています。12月のスケジュールを開くことが多くなり、2016年の手帳に切り替えました。もうすぐ年末です。