こんにちは。FCコンサルタント・山下です。
フランチャイズの本部を立ち上げるためには、様々な手順があり、店舗を広げていく過程では「あれもない、これもない」という状態になりがちです。ただ、私たちコンサルタントが依頼を受けた際に、これだけは必要というものがいくつかあります。何回かに分けて順に挙げていきます。
FC本部に必要なモノ:③チェーン展開の可能性
本当にチェーン展開できるか検討してみましょうとアドバイスすると、経営者の反応はだいたい3パターンに分かれます。
A「今は実績がないけど、チェーン展開することを前提に設計していきたい。そのためのコンサルをお願いしたい」
B「今まで直営で全て成功してきたし、問題ないですよ!」
C「うちのビジネスはFCでやらせて欲しいという人もいる位です。しばらくは見込み客もありますよ」
反応として多いかなと感じるのはBです。ただ、直営でうまくいっていても、FC展開するとうまくいかないこともあるのです。
直営のときには何とかなっても、FC化するときにクリアしておかなくてはならないことがいくつかあるので、そちらを紹介します。
FC展開に不可欠な要素
①ノウハウの伝えやすさ
FCに加盟してくるのは全く別の会社であり、業務の進め方も本部が考えているやり方をしてくれるとは限りません。単にOJTでやり方を教えれば良いというものではありません。
例えば、中古品のリサイクルビジネスであれば、品物の査定の仕方、見逃してはならないポイントが全て決まっています。感覚で、この品物はこれ位の価値で、いくらだろ・・・というやり方をされたら困ります。
そのため、全店共通のやり方を伝えるためにFC加盟店には研修をみっちりやります。
あなたの会社では、新しい従業員が入ってきたときにどのように教えていますか?中途入社の方であれば、前職で身につけたクセがあると思いますが、そこを矯正することも必要になります。中途の従業員であれば社内に入りますので、業務を一緒にする中で直していくことができますが、FCだとそうはいきません。
研修とマニュアルで本部のやり方を伝え、先方の会社の中で守ってもらわなくてはなりません。そのため、ノウハウをマニュアルなどで伝えることができるかどうかがFC展開に向いているかどうかのキモになります。
②ニーズが存在すること
FC化しようとするビジネスを利用してくれるお客様はどのような方でしょうか?そして、何を求めてそれを購入してくれるのでしょうか?
うちはラーメン屋だから、おいしいラーメンを作ればお客さんは入ってくれる、とお考えであれば、今一度どのようなお客様がどうして利用してくれるのかを考えてみた方が良いでしょう。
繁盛しているお店であれば、新規客とリピーターの比率、周囲に人が集まってくる施設があるのか、一人で来る人、家族で来る人、職場のみなさんで来る人など、どのようなお客様が来店しているのか、「お客様像」を明確にしましょう。
その上で、なぜ、他の店でなく自分たちの店を利用してくれるのかを考えてみましょう。もしかすると、近くにラーメン屋が1店舗もなく、仕方なく利用しているだけかもしれません。それだと、競合になる店舗があるところには出店することができません。品揃えが受けているのか、店の作りが受けているのか等、今のお店がなぜ利用されているかを明確にしてください。
郊外のロードサイドにお店を作れば、こういうお客様が来てくれる、商店街の路面に面した店舗、駅ビルやショッピングセンターのフードコートなど出店パターンはいくつもありますが、自分たちはどういう所に出店して、どのような人が利用してくれるのかを明確にすることができれば、その商売に対して明確なニーズが存在するといえるでしょう。
まとめ
今の商売が順調であっても、それがFC展開に向いているかどうかは別です。
①ノウハウの伝えやすさ
別の会社であっても、マニュアルと研修でノウハウを伝えることができ、同じ品質の商品、サービスを提供できるか?
②ニーズが存在すること
その商売にどのようなニーズがあるのか明確であり、別の会社が別の場所で運営しても直営店と同じように繁盛するのか?
FC展開を検討する上では、他にも収益性などの要素もありますが、ノウハウの伝えやすさとニーズが存在すること、この2つがFC展開できるかどうかを判断する最初の基準になるのではないでしょうか。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。