FC本部はFC本部理念を固めよ(FC本部が最初に必要なモノ②)

こんにちは。FCコンサルタント・山下です。

フランチャイズの本部を立ち上げるためには、様々な手順があり、店舗を広げていく過程では「あれもない、これもない」という状態になりがちです。ただ、私たちコンサルタントが依頼を受けた際に、これだけは必要というものがいくつかあります。何回かに分けて順に挙げていきます。

 FC本部に必要なモノ:②FC本部理念

理念が必要ですとアドバイスすると、経営者の反応は2つに分かれます。
「大事ですよね。今までの内容とFC向けでは違うのですか?」「理念って、あまり好きじゃないのです。本当に必要ですか?」

前者の経営者については、理念の大切さをご理解されているので、全く問題ありません。今までの内容をそのまま進化させるか、FC向けに改めるかはその会社の状況によるのです。今までの事業内容とFCで展開していくビジネスがイコールであれば問題ありません。

例えば、掃除のサービスを手がけてきている会社が、FCによって新たな仲間を募りたいということであれば、これまでに経営者が従業員に訴えかけてきたことがそのまま理念になるでしょう。
単に掃除のサービスを提供してお金をいただきますということでなく、何らかの「志」があって、お金以上の価値をその事業に見いだしていたからこそ、その事業に人が集まり、FC展開を考えるところまで大きくなったのだと思います。従業員を引きつけてきた言葉を加盟店向けに訴えかけてください。

一方、「理念って何だろう?」と思われている経営者の方は、FC展開を考えるタイミングで改めて考えてみると良いでしょう。

「どうして自分たちはこの事業をしているのか?」

理念というと漠然としてしまいますので、「使命=Mission」と考えてみましょう。どうしてこの仕事が必要なのか?どうして社会からこのような任務を任されているのか?など考えてみると何か出てくるのではないでしょうか。

また、「どうしてFC募集で仲間を募るのか?」という点についても明確にしておきましょう。相手からすると、本当に儲かるならば自分たちだけでやれば良いじゃないかという疑問があるでしょう。どうして、よくできたビジネスモデルのノウハウを他者に公開するのか?という点については明確にしておきましょう。

FC理念の必要性

FC理念の効用

FC理念が明確だと後々役立ちます。FC本部とFC加盟店はチェーン全体の発展がそれぞれの利益になるのですが、加盟店は本部にロイヤルティを払わなくてはならないし、本部はチェーン全体の発展を考えると個々の加盟店の要望を押さえつける場面があります。そういった衝突が必ず起こってしまうのですが、FC理念があればそこに戻ることができます。

例えば、私のいた中古車買取FCでは「中古車の流通革命」という理念がありました。加盟店がFC契約に違反する取引を行って対立した場合に、「それはこれまでの自動車販売店のやり方であり、本部が目指しているやりかたと違います。中古車の流通革命という原点に戻ってください」と指導することができたのです。この理念のおかげで、加盟店指導の軸がぶれずに済みました。

まとめ

FC理念は必ず作りましょう。
自分たちの事業理念だけでなく、どうしてFC化を推進するのかについて、じっくりと考えてください。