先週、コンサルタントとして活動するためのヒントを得ようとセミナーに行きました。その時に考えたことを自らの振り返りのために書いて見ます
士業が提供しているものとコンサルタントの違い
冒頭で講師に言われました。「士業が提供しているものは、美容師さんがカットを提供するのと変わらない、普遍的なサービスである」と。確かに、仕事として散髪してお金をとるには、理容師や美容師の免許が必要です。税理士として税務申告のお手伝いをするには税理士の資格が必要です。したがって、誰からも認知されているサービスになります。おのずと差別化するのが難しく、報酬額も世間相場にとどまるのではないかと。
その講師の方の仰るコンサルタントサービスは万人に必要とされるものではなく、ピンポイントで必要とされ、相手の課題が解決されたら終わるものだと。したがって、10年で100社くらいは相手にするのが当たり前だそうです。よほど腕が悪くない限り、1社で1年も支援すれば、課題が解決されて支援するべき事がなくなるはずだと。
中小企業診断士のサービス
このように尖った指導内容を磨いて、特定のお客様を相手に高額の報酬を得るのが本来のコンサルタントなのでしょう。ただ、士業は身近な相談役という役割も期待されています。そのため、行政の窓口でよろず相談のようなこともやりますし、専門家派遣として会社に出張してスポット支援を行います。それはそれで必要なサービスではないかと感じています。
私たち中小企業診断士は経営に関する課題に関して、とても広い範囲から出題される試験に合格しなくてはなりません。ビジネス経験のある方が自分の棚卸しをしながら学んで、合格した後はそれぞれのバックグラウンドを磨きながら活動しています。自分は経営学修士(MBA)も取得しましたが、中小企業診断士の勉強の方がビジネスに即していて刺激的だし、勉強仲間からの学びも大きかったです。
私は街中のクリニックのように様々なご相談を受けながら、自分の専門分野に関する相談がピンポイントで来たらがっちり入り込んで支援していきたいと考えています。
コンサルタントは誰でもなれるが・・・
コンサルタントをテーマにするセミナーに出ると、経営者を指導する立場になるのに必要な勉強を省いて活動しようとする方に出くわします。先日のセミナーでは、隣の方と名刺交換するように促されたので名刺を渡すと、「私はこれからフリーになるので名刺は持っていません」と言われ、名前も教えてくれませんでした。「何が専門ですか?」と聞いても要領を得ない回答しか返ってこないのですが、「山下さんは私の先輩ですね」と仰いました。「何の先輩ですか、大学院ですか?」と確認したら、「フリーランスとしての先輩」だと言われました。フリーランスは会社を辞めれば誰でも自動的にそうなるので、価値はないのですが(苦笑)。
そのセミナーでは士業のサービスとコンサルタントの提供する本物のコンサルティングは違うと講師の方が強調されていたので、そういった方々は「自分たちは士業より上だ」と感じられたかもしれません。
ただ、士業は専門分野について知識もありますし、広く浅く指導することはできます。コンサルタントは特定の分野を極めないと何もない状態です。私たち士業もコンサルタントも中身が勝負ですので、専門分野については磨き続けないといけないなと感じています。
あとがき
今日は昼から雨が降る予報なので、「朝飯前」に軽く自転車に乗りました。自転車に乗っていてちょうど良い気候になったことを感じます。