ヨーカ堂2割閉店のニュース、事業はターゲットの絞りが重要

昨日のニュースで、総合スーパーのヨーカ堂が店舗を2割クローズするというものがありました。現在の店舗数181に対して、2割強の40店舗をクローズする方針ということです。

eee3c90cdb5b57c2eb799ee96e823dea_s

昔は総合スーパーが圧倒的に強かった

生活必需品として、「衣食住」と言われます。住宅はともかくとして、衣類と食料品は日々の生活に欠かせないものです。総合スーパーは高度成長期から店舗を広げてきて、衣類も食料品もすべて賄うことができる存在として地域で圧倒的な存在でした。私が子供の頃は近所にダイエーが出来て、毎日の食事、衣類、電化製品と全てダイエーで買っていた記憶があります。

総合スーパーの強みは総合力と、商品の販売力による仕入れ交渉力になりますので、地域の小規模な店舗のシェアを奪う形で「巨大なよろず屋」として成長してきたのでしょう。

 

衣類に総合スーパーの強みは発揮できるか?

総合スーパーが落ち込んできたといっても、食料品の分野では今でも十分黒字経営なのではないでしょうか。首都圏だと、食品に特化したサミットやオオゼキなどが多いのですが、ちょっと郊外に行くと総合スーパーがあり、食料品のフロアはとても賑わっているように感じます。ま、ヨーカ堂はセブンイレブンにも置いてあるPB品が置いてあったりしますが、NB商品に引けを取らない商品なので問題ないでしょう。

ただ、衣類に関しては、店舗の広さと品揃えの割には客数がまばらな感じがします。ユニクロの店舗がいつも賑わっているのと比較すると、経営効率は良くなさそうです。子供向けの服、紳士向けの服、婦人向けの服の全てがおいてあり、紳士でいえばビジネス向けとカジュアルの両方があります。全ての人向けの品ぞろえがあだになって、「誰の為でもない」ように感じます。

ユニクロも品揃えは広いのですが、カジュアルな服を手ごろな価格で提供するという点は徹底されています。そして、高機能なインナーウエアやフリースなど看板商品がはっきりしています。その結果、季節の変わり目になるとインナーウエアを買いに行くことになります。

 

ターゲットをしぼり、売りを明確にすることの重要性

商売をするうえで、「誰に」「何を」「どうやって」提供するのか、一番最初に考えないとならないことです。総合スーパーはそれを超越した存在で、グループ全体での知名度と仕入れ力などで、全ての人にメリットのある売り場づくりが出来ていました。

しかし、これだけ情報があふれ、一人一人のニーズが細分化されてくると、「総合的」という方針は通用しなくなります。総合スーパーほどのパワーが無い小規模事業者にとっては、自分の強みをハッキリさせるために、ターゲットを絞り込むことが重要だと改めて感じます。

 

スモールビジネスの立上げには事業計画をじっくり考える必要があります。失敗しない起業を応援させていただきます。

 

あとがき

今日から山の中にこもっています。今朝の気温は12度で、暖房を付けました。夏はバイクの音が聞こえてくるのですが、この時期はとても静かです。