FCコンサルタントをやっています。と自己紹介すると、どのFCが儲かりますか?と聞かれます。ただ、本人がやりたくもない事業を紹介しても、本気でその商売に取り組むとは思えません。そのため、FCについて一通り勉強して、自分に向いている事業を探すのが良いでしょう。そのために基礎知識を何回かに分けて書いていきます。
FC加盟者向け基礎知識:②FCの対象となる業界
FCの統計として一般的なのは、日本フランチャイズチェーンが公表している「フランチャイズチェーン統計調査」です。最新の統計を見ると、3つの業界に分かれています。
(出所:日本フランチャイズチェーン協会)
http://www.jfa-fc.or.jp/particle/29.html
こうやってみると、3つしかないのか?と思われるでしょう。ただ、実際にはサービス業の範囲が広いので様々なFCがあります。全業種を網羅している日本標準産業分類を元に考察してみましょう。
日本標準産業分類ごと、業種別FCの有無(私的考察)
業界分類 | FCの有無/コメント |
A.農業、林業 | ×収穫物の卸先(農協や漁協等)はありますが、FCとして継続的な上下関係になるものはありません。 |
B.漁業 | |
C.鉱業、採石業、砂利採取業 | |
D.建設業 | ○工務店を対象とするFCがあります。 |
E.製造業 | ×製造業自体はノウハウを広く提供しませんのでFCにはなりません。 |
F.電気、ガス、熱供給、水道業 | ×地域ごとに事業者がきめられていてFCにはなりません。 |
G.情報通信業 | △多くは商材を販売するための代理店という形態ですが、FC化も可能です。 |
H.運輸業、郵便業 | ○運輸サービスにFCがあります。 |
I.卸売業、小売業 | ○小売業はFCの主要分類の一つです。 |
J.金融業、保険業 | ×保険業などで代理店がありますが、継続的指導をするFCはありません。 |
K.不動産業、物品賃貸業 | ○不動産、物品賃貸ともにFCがあります。 |
L.学術研究、専門・技術サービス業 | ×専門的な分野はFCになりづらいです。 |
M.宿泊業、飲食サービス業 | ○宿泊、飲食ともに多くのFCがあります。 |
N.生活関連サービス業、娯楽業 | ○家事支援サービスやマッサージなど多くのFCがあります。 |
O.教育、学習支援業 | ○学習塾や保育所などにFCがあります。 |
P.医療、福祉 | △デイサービスなど、一部の分野にFCがあります。 |
(業界分類の出所:総務省 日本産業標準分類)
日本産業標準分類には、その他に複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)、公務、分類不能の業種があるが、上では割愛しています。
なお、コメントについては、私の知りうる範囲になります。
このように見ると、多くの業種にFCを導入している事業者がいて、FCシステムを活用して事業を立ち上げ可能であることが分かります。小売や飲食については業種分類とほぼ同じなのですが、サービス業については実に様々な商売があります。出かけた際に使うホテルやレンタカー、子供の学習塾、フィットネスクラブやマッサージなど様々です。
主だったフランチャイズ本部については、フランチャイズ関連の展示会のwebサイトを見れば情報が出ていますし、加盟店を積極的に探している本部が情報を掲載していますので、webサイトを見てみれば良いでしょう。
実際に加盟するときの注意点やwebサイトのここを確認した方が良いという点については後日紹介します。
(参考)主なFC関連展示会
フランチャイズ・ショー
https://messe.nikkei.co.jp/fc/
フランチャイズ&起業・独立フェア
https://www.fc-hikaku.net/how_to/fair
他には、マイナビFC&独立・開業EXPOなどが展示会を開催しています。
まとめ
・FC展開している業種は実は多岐にわたっています。ただ、中にはFCに似ているけども「代理店」として募集しているケースもたくさんあります。
→代理店とFCの違いは、代理店は商材を販売する事業者を募集するのに対し、FCは店舗の名称から販売の仕方まで細かく本部の指導を受ける店が異なります。既に商売をしている事業者は代理店が向いていて、全く新しい分野で事業をする場合はFCが向いているといえます。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
(編集後記)
昨日、隣の駅(京王線下高井戸駅)にコワーキングスペースが開業しました。自宅事務所でも十分仕事はできるのですが、何かの縁と思ったので申し込みました。駅前なのでどこに行くにも便利です。これをきっかけに、益々多くの事業者のビジネスをお手伝いできることを願っております。