事業承継、一番大変なのは後継者の育成

中小企業はワンマン社長が多いです。そのワンマン社長がいなくなったら、どのように事業を回していくのか、早いうちから検討が必要です。

中小企業は経営者で成り立っている

中小企業の定義は、従業員の数と資本金の額で分類されます。従業員では、製造業300人、卸売・サービス業は100人、小売業は50人になります。

ただ、普段中小企業の支援をしていると、従業員が20名もいれば大きい方で、家族が軸になった経営です。経営者も大企業と違って従業員の中から選ばれた存在でなく、資本を入れて創業された方か、そのご子息であることが多く、全ての決定権は経営者が有しています。

 

中小企業のマネジメント

自分は大企業にいましたので比較できますが、大企業と中小企業の差はマネジメントの階層です。大企業の場合、経営層と現場との間にマネージャーがいることが大半で、従業員は自分の部署のマネージャーの指示に従って仕事します。そのため、経営者は「雲の上」というか、直接関係ない存在になりがちです。

逆に中小企業は経営者が全てです。信頼できる「右腕」のような存在がいる場合は経営者だけでなく、その方もいろいろと判断しますが、そういう方がいない場合は経営者だけが方針を決めたり指示したりできます。

以前の顧問先では、最終的に役員に入りましたが、自分には決裁権は一切なく、社長の機嫌を損ねると出社してこなくなり、全ての決済が滞りました。

 

ワンマン社長の後継者

中小企業の事業承継は3択です。

①経営者の親族に引き継ぎ

②従業員に引き継ぎ

③外部に売却

この場合、②を選ぶようなケースだと外部に相談してくることはあまりありません。もちろん、株価の算定などで顧問税理士には相談しているとは思いますが。

経営者の行動が遅れるパターンは①か③です。ただ、③の場合は外部に売却するという方針が決めてしまえば、譲渡先探しになりますので、外部の仲介会社に依頼すればそれほどの苦労はありません。

社内で苦労するのは①の子息への引き継ぎです。

 

経営者親族への引き継ぎ準備

経営者の親族に引き継ぐといっても状況はそれぞれです。経営者と共に長い間一緒に仕事をしてきているパターンもあれば、承継に合わせて外部から呼び戻すパターンもあります。

多いのは、長いこと一緒にやってきているから大丈夫とお考えの経営者です。

一緒に仕事をやっていれば、社内は掌握していますし、業務の事にも精通します。それでも、従業員としてやっているのと、経営者になるのとでは全く景色が違うはずです。いわゆる「ヒト・モノ・カネ」と言われる経営資源を確保し、今後のビジョンを描いていくことが経営者の仕事ですが、それはその立場にならないと経験できないものでもあります。

金融機関から運転資金を調達し、従業員を採用して教育していくことは、従業員の時には中々できないことですし、今後のビジョンや計画を立てるということも中々できないことです。

 

これから経営を担う方向けに、財務諸表の読み方や事業計画の立て方を個別にレクチャーしていこうと考えています。どうやってメニューにしていくか考えていくのが、今年残りの目標です。

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、これから創業する方、少人数でビジネスをされている方に特化したビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

・これから創業したい

・ひとりビジネス〜3,4名程度の事業主で相談相手が欲しい

・フランチャイズに加盟してみようかと考えている

こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。

 

あとがき

当社は12月決算で、来期の計画を検討しています。もう少し案件を作っていかないと赤字になりそうです。営業が大事ですね。