中小企業診断士、FCコンサルタント山下です。
経営者にとって、会社の経営を分析することは現状の経営を見直し、今後の経営に活かすためにも重要なことです。宮崎県の南郷町商工会にて先日開催したセミナーの内容を記事にしてみます。
経営分析セミナーについて
このセミナーは中小企業支援施策である「伴走型小規模事業者支援推進事業」の一環でやらせていただきました。昨年も同じテーマでやらせていただいたのですが、内容は一から見直しています。
全体の章立ては以下の通りで、細かくは後述していきます。
- 経営分析を行うメリット
- 経営分析の体系
- 定量情報の分析からわかること
- 月次試算表による管理
- 経営分析ツールと中小企業支援施策
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経営分析を行うメリット
これは一言でいえば、「問題を早期発見できる」ということです。事業を取り巻く環境の変化が大きく激しくなっている中で、現在の事業が顧客のニーズから離れたものになっていたり、競合状況が変化してインターネットを使って商圏内のシェアが大きく変わっていたりということも十分にあり得ます。
こうした環境変化は事業をやっていれば「肌感覚」で伝わってくる面もありますが、数字にも表れてきますので、健康診断と同じ感覚で経営分析を行うことが必要です。
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経営分析の体系
経営分析には、文言で示される定性分析と数字であらわされる定量分析があります。定性分析を行うためには第三者と一緒になって取り組まないと見落としているポイントなども出てきますので、商工会の経営相談員などと一緒になって行うのが良いでしょう。一方、定量分析は数字の比較ですので、やり方を分かっていれば決算書を使って独力で行うことができます。数字を使って行う分析には、収益性や安全性、効率性などの指標があります。
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定量分析からわかること(ワーク)
定量分析の話をしてもピンと来ないでしょうから、実際の上場企業の数字を使って計算してもらいました。親子喧嘩で有名になった家具店をケース題材に使いました。
2010年の数字と2018年の数字を比較すると明らかに分かる変化があります。
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月次試算表による管理
これも実際に売り上げが急減少している会社の試算表を使って行いました。売り上げの減少→月次の赤字が累積、手許現金が大きく減少しているケースです。こういう会社の場合、損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)のどこの数字が変化しているのか、月次試算表を作成することでどこをチェックするのかをレクチャーしました。。
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経営分析ツールと中小企業支援施策
実は経営分析ツールについては無料で使えるローカルベンチマークというものがあります。決算書の入力でどういうアウトプットが出るのかを説明し、まずは数字を入力し、過去の実績や業界平均数値との比較で分かることをレクチャーしました。
また、経営分析したうえで、今後有効な中小企業支援施策について解説しています。
経営分析については、私たちコンサルタントが企業様に助言する際、最初に行うことです。決算書をいただければ決算書からも分析しますが、決算書を使わずに様々な視点からヒアリングさせていただき、今後の課題を見つけ出し、コンサルのテーマを決めていきます。
会社の健康診断として経営分析にご興味を持たれた方、セミナーのテーマとして話してほしいなどのご要望がありましたらお問い合わせください。
◆自己紹介
私、山下哲博は、経営革新等認定支援機関の登録をしているビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。
得意分野はフランチャイズの本部立ち上げですが、会社の成長につながる経営計画作り、補助金申請など、ビジネスの成長、新規立ち上げをサポートしています。また、最近、スモールM&Aのサポートも始めています。
・創業時の創業計画、創業融資獲得
・店舗の収支改善、集客、多店舗展開・フランチャイズ展開→ハンズオンで支援します
・資金調達のための事業計画(銀行から言われたら一緒に作成します)
・日本政策金融公庫の経営力強化資金(通常より低利です)
・新しいことに挑戦する経営革新計画、経営力向上計画
・ものづくり補助金など、補助金申請
・会社の成長戦略を描くための早期経営改善計画(費用の3分の2は補助金使えます)
・スモールM&A(外部への会社/事業売却)のお手伝い
あとがき
実は、南郷町商工会からのセミナーは先週と今週の2回開催。セミナーは話をするのは2時間ですが、内容の作り込みにはその10倍くらいの時間がかかっています。8月はお盆明けからバタバタとセミナーの資料を作っていまして、改めて経営分析について学びなおすことができました。