経営改善計画作成のツボ、抜本的な事業の見直しについて

来月のセミナーで経営分析についてご案内します。数字の改善事例として、以前手がけた経営改善の事例を紹介するのですが、改めて数値計画の重要性を感じたものです。

経営改善のポイント

経営改善計画が必要になる企業は、長らく赤字経営が続いていて、そのまま放置しておいても赤字が拡大すると考えられる状態です。そういう状態で金融機関に返済の見直しを要請すると、「経営改善計画」の作成を要請されます。儲かっていない状態であれば改善が必要で、抜本的に改善するために外部の人間が入って事業の見直しを図ります。

経営改善が必要な会社は、以前は競争力のある商品やサービスがあったけれども、競合が出てきたり、消費者ニーズの変化などによって、商品の競争力がなくなってきている状況にあります。新たな事業を立ち上げるにも何らかの投資が必要になりますので、当面は既存事業を立て直すことが必要になります。

 

粗利を取れる商品・サービスを探す

短期的に収益を出すにはコストカットありきですが、コストを削るだけでは先がないので、まずは売上を細分化して検討することにしています。年間のトータルで売上高が損益計算書に記載されていますが、これを、月ごと、取引先ごと、商品ごとなどにバラしていきます。ここで商品ごとに分類できない場合は、どうやったら分類できるかを経営者と相談していきます。

そして、売上が把握できたら粗利も把握していきます。小売業であれば「売上-仕入」ですし、サービス業であれば「売上-直接人件費」として算出します。直接人件費はアルバイトでもできる仕事であればアルバイトの時給ですし、経営者が直接担当するなら月間目標売上から時間で割って算出します。

 

経費は再度見直し

経費は見直しますが、そもそも経営改善が必要になっている会社の場合、経費はすでに削っていることが多いです。ただ、削ってはいけない(単に売上減少が止まらずにジリ貧になる)経費もありますので、経費については内容を検討していきます。

特に多いのは人件費を削って、経営者が従業員の仕事を担当するケースです。仕事が減少しているから従業員の仕事を肩代わりするのはもっともなようですが、経営者の代わりはいませんので、長期的にはジリ貧になっていきます。ケールによって異なっては来ますが、もともと従業員を雇用していた企業であれば、フルタイムでなくても良いので、週末だけでも人を入れる方が良いでしょう。

 

粗利を取れる商品・サービスに注力する

粗利は仕入れに対して上積みされている利益です。粗利が取れるということは競争力がありますし、他との差別化ができていないと粗利を削って安売りするようになります。

かつて支援したことのある小売業では、特定の商品の粗利が1%しかなくて驚いたことがあります。年間6千万円販売して、粗利がたったの60万円で、経営者がいうには半期ごとに報奨金をもらっているとのことでした。ただ、それでも粗利は10%ほどしかなく、売上では2番目の商品で粗利40%稼いでいたのに比べるとあまりにも少ない利益でした。

主力事業なのでいきなりは売上を削れませんが、徐々に2番目の商品にシフトするように計画には盛り込みました。

 

外部の人間が経営の是非に口をはさんでくるのは嫌かもしれませんが、固定観念やしがらみが無い分、抜本的な見直しにつながってきます。

経営改善に関しては、補助金を活用できる「早期経営改善計画」の策定をお手伝いできますので、ご興味がありましたらお問い合わせください。

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、経営革新等認定支援機関の登録をしているビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

得意分野はフランチャイズの本部立ち上げですが、会社の成長につながる経営計画作り、補助金申請など、ビジネスの成長、新規立ち上げをサポートしています。

・創業時の創業計画、創業融資獲得

・店舗の収支改善、集客、多店舗展開・フランチャイズ展開→ハンズオンで支援します

・資金調達のための事業計画(銀行から言われたら一緒に作成します)

・日本政策金融公庫の経営力強化資金(通常より低利です)

・新しいことに挑戦する経営革新計画、経営力向上計画

・ものづくり補助金など、補助金申請

・会社の成長戦略を描くための早期経営改善計画(費用の3分の2は補助金使えます)

 

あとがき

昨日くらいから「お盆休み」を感じるようになってきました。自分は周りの動きがない分、ゆるゆると仕事しています