経営者報酬の決め方、利益トントンの場合

小規模な食料品販売店の社長さんから聞かれました。
「経営者報酬の決め方について、何か考え方はありますでしょうか?」

経営者報酬について

経営者報酬の決め方は、経営者自身が決めることができます。ただ、期の途中で勝手に変更することができないという点が問題になります。あまり経営者報酬を高くしすぎると赤字になってしまいます。赤字になっても会社に資金が残っていれば問題はないのですが、通常は支払いに支障を来すことになり、経営者に給料を払うものの、経営者から会社にお金を戻すことになりがちです。大抵の会社には「経営者貸付」の残高があり、経営者が何百万か会社にお金を貸している状態(会社には借入残高が残る)になります。

 

費用は固定費と変動費に分類され、経営者報酬は「固定費」に分類される

経費の中には売上に比例するものと比例しないものがあります。売上に比例するものは、商品原価があり、売れば売るほど原価も増えていくのです。

一方、固定費は売上に関わらずかかる費用で家賃や光熱費、人件費等があります。経営者報酬も人件費に分類され、売上の増減に関わらず必要になってきます。

 

利益0の時は粗利=固定費

粗利は商品売上から商品原価(変動費)を引いたものです。従って、粗利と固定費が同じ数値になれば利益が0になります。

冒頭の問いに戻ると、営業利益が0で良いと考えた場合、粗利と固定費が釣り合いますので、どれだけ粗利が取れるのかを計算し、現状の固定費を計算すれば、経営者報酬の額も決まってきます。固定費は家賃や通信費、人件費、その他の経費と大体の金額が予測できますので、経営者報酬をいくらにすれば良いかが見当付きます。

 

経営計画の重要性

粗利がどの位出るのかを計算するには、売上予測が必要です。前年の売上、今年の見込み案件などから、今年の売上を計算します。

また、原価率についても、計画を立てないと膨らんでいく傾向にあります。そのため、計画を立てて、売上に対する原価率を計画通りに押さえ込むことが必要です。

計画が無くても利益が出ることはあるのですが、計画を立てて絶えず振り帰りを行うことで利益を最大化することが出来ます。そして、計画通りに進むことを見越して経営者報酬を取るようにするのが理想値になります。

 

実際には簡単に予測できるものではありませんが、計画を立てることが重要です。

経営計画、ご興味ありましたらお手伝いいたしますので、お問い合わせください。

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、これから創業する方、少人数でビジネスをされている方に特化したビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

・これから創業したい

・ひとりビジネス〜3,4名程度の事業主で相談相手が欲しい

・フランチャイズに加盟してみようかと考えている

こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。

 

あとがき

冒頭の質問は、「税理士さんに言われて経営者報酬を倍にしたら赤字になった」ということから質問をいただきました。税理士さんも同じロジックで経営者報酬を計算したはずで、おそらく、利益率が減少したか売上が少なくなって、利益が固定費をまかなえなかったのだと思います。