フランチャイズ本部に資料請求すると、資料の中に入っているのが「モデル収支」です。1ヶ月にどの位の売上があり、経費が出て、どのくらいの利益になるかが示されます。この収支はあくまでもモデルなので、見方には注意が必要です。
モデル収支とは
フランチャイズに加盟して、どの位のもうけが出るのかをざっくりと示すものです。大まかに月の売上とどういう費用が必要なのかが書いてあり、最終的にどの位儲かるかが書いてあります。
↑イメージとしては上図の通りです。
モデル収支を見るときの注意点
上図の内容だとおおざっぱ過ぎて実際の内容が分かりませんが、本部のセールスポイントは、「利益率」になります。この場合だと、600÷3,000=20%ですので、利益率20%のビジネスとして大々的にPRされます。
抜けている費用項目
上記の場合は、本部に支払うロイヤルティが入っていません。本部に売上の5%払うのであれば、150千円少なくなります。
そして、厳密には費用ではないですが、オーナーの給料をいくらにするのかを考えなくてはなりません。仮に月に30万円取るのであれば、社会保険が会社と個人支払いの両方で8.7万円かかります。従って、オーナー人件費を35万円で見ておかなくてはなりません。
費用と資金繰りは違う
営業利益600千円から本部ロイヤルティ150千円、オーナー人件費350千円を引くと、会計上の利益が出ます。ただ、フランチャイズ加盟時に銀行などから資金を借りた場合は借入の返済に更にお金が必要です。仮に600万円を5年返済にした場合は、毎月10万ずつ元本返済に必要です。
このケースではモデル収支の利益がなくなってしまいました。これだと自転車操業が続き、ビジネスを拡大していくのは難しいと言わざるを得ません。この場合は、本部選びの段階から間違っていたということになってしまいます。
専門家による「セカンドオピニオン」の重要性
本部が開示しているモデル収支ですが、ぱっと見ると、この内容で良いのではないかと思ってしまいがちです。ただ、本当に大丈夫か?、ビジネスとして拡大していけるのかという点については、気をつけないとならないポイントがあります。
フランチャイズに加盟する前に、専門家に「セカンドオピニオン」をお伺いした方が良いです。できれば、会計だけでなくビジネスモデルの診断ができる方にお願いした方が広く網羅して確認してくれるでしょう。
当事業所でもセカンドオピニオンサービスを実施しています。
逆に、本部をこれから構築される方についても、収支モデルの作り方をアドバイスさせていただきます。仮に、上記の内容のように手元に資金が残らない場合は、収益性が出るように事業の見直しを一緒に考えさせていただきます。
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私、山下哲博は店舗ビジネスの発展支援と資金調達サポートを強みとする、小規模事業者向けのビジネスコンサルタントです。難しいことを分かりやすく、経営者の右腕になるべく帆走型のサポートを行っています。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
あとがき
いよいよクリスマスイブ、今年もあと1週間です。自分は年末のやっかいごとである年賀状が片付いたので気が楽です。