今日の日本経済新聞に「中小企業診断士が最も取得したいビジネス資格」という記事が出ていました。やっぱりという思いと、急にどうして?という両方の感情がありますので、資格者として記してみます。
中小企業診断士とは
中小企業診断協会のwebサイトより抜粋
中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。法律上の国家資格として、「中小企業支援法」第11条に基づき、経済産業大臣が登録します。
中小企業診断士制度は、中小企業者が適切な経営の診断及び経営に関する助言を受けるに当たり、経営の診断及び経営に関する助言を行う者の選定を容易にするため、経済産業大臣が一定のレベル以上の能力を持った者を登録するための制度です。
中小企業基本法では、中小企業者が経営資源を確保するための業務に従事する者(公的支援事業に限らず、民間で活躍する経営コンサルタント)として位置づけられています。
https://www.j-smeca.jp/contents/002_c_shindanshiseido/001_what_shindanshi.html
資格を取ったメリット
いろいろとありますが、この資格を取得したおかげで独立開業することができました。会社員と違って収入は安定しませんし、忙しいときはものすごく大変です。独立開業して7年になりますが、会社員時代よりも年収が低かったのは1回だけです(私の会社員時代の年収が低かったのもありますが・・・)。
一番大きなメリットとして、様々な経営者にお会いすることができることです。人から言われて仕事をする会社員と、自ら仕事を創り出している経営者とでは仕事に対する向き合い方が全く違います。自分は日々経営者にお会いできることで、常に勉強させていただくことができています。
また、自分に足りない部分については素直に学ぶことができています。診断士が集まる研究会、外部のセミナーでインプットすることもありますし、他の先生と組んで仕事をさせていただく際には、仕事をしながら勉強させていただいています。
診断士人気を意外に思った点
中小企業診断士はビジネスに直結した資格ですので、本来はもっと人気があっても良い資格だと思います。ただ、他の資格と異なり、その資格を持っていることによるアドバンテージはありません。むしろ、経営の経験があったり、沢山の現場を見て改善してきた実績がある方であれば、何らかのコンサルタントをすることは十分に可能です。そのため、本当にコンサルタントとして活躍出来る方にとっては、わざわざ資格を取る必要がありません。
弁護士や公認会計士といった資格を取れば、一生が約束されるといっても良い状況になりますが、中小企業診断士は真逆であり、資格があるからといって特段何もありません。強いて言えば、公的機関からの専門家派遣くらいです。
その割には非常に広い範囲を勉強しなければならず、取得するのが大変なので、急に人気になったと聞いて意外に感じました。
その他の資格であれば、TOIECであれ、宅建であれ、会社から取得が求められる資格ですので、人気があるのはうなずけます。経理などの部署だと簿記も勉強するように言われるでしょう。
中小企業診断士は国家資格であるものの、資格を持っている事によるアドバンテージがない不思議な資格です。ただ、コンサルタントには様々な方がいて、特段、ノウハウをお持ちでない方(自称コンサルタント)も沢山いる業界です。資格を取るのに必要な勉強をして、これまでの職歴や経験と結びつけて、中小企業をサポートする身近な専門家として、これからもお役に立ちたいと考えております。
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私、山下哲博は店舗ビジネスの発展支援と資金調達サポートを強みとする、小規模事業者向けのビジネスコンサルタントです。難しいことを分かりやすく、経営者の右腕になるべく帆走型のサポートを行っています。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
あとがき
本日、認定支援機関の認定状が届きました。林経済産業大臣と麻生財務大臣の署名とハンコ入りで立派な物で感動しました。なお、中小企業診断士として登録された際の経済産業大臣は甘利氏です。