フランチャイズ本部の構築を考えてる方の多くは、「加盟店からのロイヤルティが魅力」とお考えだと思います。ただ、ロイヤルティを取りすぎてしまうと加盟店が成長できません。加盟店が無理なく払える程度に落ち着ける方が長い目で見て良策だと思います。
ロイヤルティの設定
ロイヤルティはフランチャイズやのれん分けの際に、商売のネタを提供した側が設定することが多いです。売上の5%、粗利の50%、固定額で30万円など、本部が設定して、加盟店には「ロイヤルティを払っても儲かります」という説明をすることが多いです。
ロイヤルティは本部が加盟店に提供している商標や商品の利用料として設定され、本部にとっては継続的な指導をしていく際の原資になります。
ロイヤルティ設定の基準
フランチャイズでも店舗ののれん分けでも、成功するまでには様々な失敗を積み重ねながらノウハウとして確立されています。したがって、失敗したときの費用を回収することを念頭に入れて、高めの金額を設定したくなるのが人情です。ただ、商売の実情とかけ離れた金額を設定してしまうと、加盟店の経営が成り立たなくなりますので、ある程度成功した店舗が必要経費として無理なく払える範囲に押さえるべきです。
高すぎるロイヤルティの事例:美容室の場合
自分が明らかに高いと思ったロイヤルティの事例は理容室のケースでした。のれん分けでオーナーが従業員に経営権を譲り渡しているケースになります。
理容室の場合、組合に入っていると客当たりの単価は同一価格になります。そして、一人で対応するとなると1日当たりの売上が大まかに見えてきます。そのオーナーが試算したのは、4,320*8人*26営業日=898,560円が最大の売上です。
ただ、毎日8人ずつ来る保証は全くありません。1日に2,3人しか来ない日もありますので、平均した売上は60万円前後というところだと思います。
理容室の費用構造として、家賃が15万程度、光熱費や広告費、売上原価などの費用が5万円位掛かります。これらの費用が20万円ですので、売上—費用で40万円くらいしかのこらない計算になります。
オーナーは「売上—費用」から借入の返済をして、手元に残る現金が決まってきます。このように、いくらまでいただいても大丈夫等、相手の事も考えた金額にするべきです。理容室の例で行けば、手元残りが40万円しかないところに、月額固定で20万円などの重たいロイヤルティを課するべきではありません。売上が順調にいっているとき、オープンしたてで苦労している時とで金額を変えたり、ロイヤルティの金額自体を無理ない範囲に抑えておいた方が、加盟店オーナーにも「儲かる」感覚を共有してもらうことができます。
加盟店オーナーやのれん分けでお店を譲った相手のことを考え、その方々が2店舗、3店舗と展開していけるような金額に設定することで加盟店、本部の双方がwin-winの関係になります。
フランチャイズ本部の設立やのれん分けをお考えの方には様々な助言ができますので、是非ご相談ください。
◆自己紹介
私、山下哲博は、これから創業する方、少人数でビジネスをされている方に特化したビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。
・これから創業したい
・ひとりビジネス〜3,4名程度の事業主で相談相手が欲しい
・フランチャイズに加盟してみようかと考えている
こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。
あとがき
今日は創業融資の計画作りをしてあげた先のフォロー訪問をしました。その時の衝撃は後日紹介します。