久しくフランチャイズ本部構築に関する記事を書いていませんでしたので、久々に書いてみます。
独占禁止法とフランチャイズ
独占禁止法は不公正な取引を禁じた法律です。この法律がフランチャイズと何の関係があるのかと思われるかもしれません。
しかし、よく考えてみると、フランチャイズの本部は加盟店に対して何かを一方的に強制することができる地位にあります。フランチャイズの看板を出してその仕組みに従って営業している加盟店に対し、加盟店の不利益になることを強制することは、「優越的地位の濫用」とされます。また、商材の仕入れに際して、加盟店の不利益になることを一方的に押しつけても「抱き合わせ販売」として同法の趣旨にそぐわないことになります。
また、加盟する際に正しい情報を伝えずに、フランチャイズ契約させてしまうこともあり得ます。フランチャイズシステムは、本部の持つ情報と加盟希望者の持つ情報の格差が大きく異なるという問題点があるのですが、加盟店に正しい情報を伝えなかったら、ぎまん的顧客誘因に該当します。
フランチャイズ本部と加盟店の関係
フランチャイズ契約は事業者同士の契約であり、消費者保護法のような保護規定はありません。たとえ、フランチャイズ本部の情報が適切でなかったとしても、加盟者側にも落ち度があると判断されて、過失相殺されるのが普通です。本部が100%の過失を問われることはありませんので、都合の悪い情報は隠そうと考えてしまうかもしれません。
ただ、本部と加盟店の関係が円満でないと、本来は拡大していくことに使うべきエネルギーを使うことができません。本部と加盟店の内部抗争にエネルギーを割かれてしまって、発展していく際のブレーキ要因になってしまいます。
やはり、本部、加盟店の共存共栄によって、チェーンを拡大していく方が良いでしょう。そのためにも「法令遵守」でいきたいものです。
あとがき
平日、外出しないでデスクワークができたのはほぼ1ヶ月ぶりでした。処理するのを忘れていたメールが出てくるなど、たまにデスクワークの日を設定することの重要性を改めて感じました。