ビジネスのルールは突然変わることがある、というリスクについて

先日、シルバービジネスについて、研究会で発表をさせていただきました。介護の業界は介護保険制度というルールに従ったビジネスモデルですが、そのルールが突然変更になった点について記してみます。

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介護保険制度

介護保険は2001年よりスタートしました。介護の元々の意味は「高齢者を介助、看護すること」であるようです。この制度は、高齢になって日常生活を営むのが困難になった方を社会全体で助けていこうという趣旨で始まったものです。私自身、父親の介護が必要になったときには大変助けられました。

 

介護保険制度の変更

介護保険制度は、現役世代が介護を必要とする方を助ける制度です。世代間の助け合い制度ですので、高齢者の数が増えることで、現役世代が支えきれなくなっています。そのため、今年4月から介護保険制度の適用が変わりました。(今年より3年間の経過措置はありますが・・・)

制度変更で影響があるポイントは、①通所介護と訪問介護については、要支援者(1・2とも)は介護保険制度の介護予防給付から外れて市区町村の独自事業に移行する、②小規模(定員15名以下)の通所介護事業所についても、市区町村の独自事業に移行したことで、市区町村ごとの福祉計画に従って施設数が管理され、総量規制などの対象になります。

また、その他にもいわゆる「お泊まりデイ」の規制が強まりました。これまでは法律での規制がなかったことから、劣悪な環境下で何人も利用者を泊まらせているとして問題になっていましたが、夜間の定員、施設側の人員配置が厚生労働省のガイドラインで定められました。そして、スプリンクラーの設置が必須になったので、古い民家を改装して使う場合には巨額の改装費用が必要になりました。

 

役所の規制は突然変更されるリスクがある。

もともと自由競争をしている業界であれば、急なルール変更はありません。事業者間の競争によって、特定の事業者が有利になることはなく、常に切磋琢磨されている中での競争なので、役所などのルールが入り込む余地がないからです。

一方、介護や運輸業界などは役人がルールを作っています。そして、そのルールは元々が作られたものであるために、突然変更になる可能性があります。前述のお泊まりデイはその分野で高いシェアを持つ会社を叩いているように見えますし、航空業界では国内最大手の会社が徹底的に優遇されて競争環境をゆがめています。その他、民営化されているにも関わらず、郵便事業を独占する事業者があったり、格安タクシーを締め出す動きが絶えないなど、役所がからむと、市場の需要とは離れたところで業界が形作られます。

しかし、元々が市場の要望と違う姿ですので、何かの機会にルールが突然変更になることがあるのです。フランチャイズビジネスは業界の環境が変わっても、加盟店単位で新たなことに取り組むことはできませんし、事業を一方的に辞めることもできません。

 

フランチャイズに加盟するのであれば、は勝手に事業を変更できないという縛りがありますので、規制に守られているよりも、規制がなく、フェアな競争が働いている業界の中で、競合と差別化できるチェーンが良いでしょう。

 

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私、山下哲博は資金調達サポートとフランチャイズを専門分野とする小規模事業者のビジネスサポーターです。資金調達のため、創業計画、経営革新計画、経営改善計画など、様々な計画作成のお手伝いを行っております。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

あとがき

今日はポカポカ陽気でしたが、情報収集のための研究会に参加していました。3連休ですが、フリーなのは明日だけです。