オムニ7がコンビニFC経営にもたらす影響

コンビニ業界のトップである、セブンイレブンがオムニ7と称したネットとリアルを融合させたサービスを開始しました。このサービスがコンビニ経営に与える影響について記してみます。

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オムニ7とは

オムニ7は、セブン&アイグループの店舗がネットで融合したサービスです。「セブンネットショッピング」「そごう・西武」「イトーヨーカドー」「アカチャンホンポ」「ロフト」「セブン‐イレブン」「デニーズ」「セブン旅ネット」のショップと商品が掲載されたサイトが立ち上がって、それぞれの店舗で受け取りができるというものです。

 

オムニ7の活用事例

セブン&アイのサイトをのぞいてみると、ジャンポール・ゴルチエの商品が「そごう・西武」の22店舗、「イトーヨーカドー」の45店舗で販売しているだけでなく、上記のグループ店舗で受け取れるようになります。

同社では、「webルーミング」と称していますが、実際に店舗で現物を見て色やサイズを決めて、注文はネットで行い、最寄りのセブンイレブンで受け取れるメリットは大きいでしょう。郊外に住んでいる人が百貨店に行って品定めをして、webで十分に吟味してそのまま注文して、住まいの近くで受け取ることができるようになります。

同グループ内の店舗を合計すると、約1万9千店舗と全国津々浦々にあります。アパレルをネットで購入するのか?という議論はありますが、大いなる販売パワーといえます。

 

セブンイレブン店舗のメリット

同グループのリアル店舗の多くはセブンイレブンで、フランチャイズ加盟してやっている店舗が大半です。当然、コンビニエンスストアの経営にプラスがないと、こんなことはできないでしょう。

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↑中央区日本橋で見たセブンイレブン。オムニ7の案内は店外にはない。

直接的な収益としては、取扱手数料です。オムニ7の注文商品受け取り窓口として、受け渡しの度に手数料が入ります。ネットショッピングに抵抗がある層にとっても、普段使っているセブンイレブンが窓口になるので、安心して使えるようになるでしょう。

そして、このオムニ7をどう活用するかがコンビニオーナーの腕次第です。というのは、セブンイレブンの店舗には約2500品目が揃っていると言われていますが、オムニセブンを使うことで、産地直送の食材、ギフト用のお菓子、離れたところに済んでいる孫宛のプレゼント、おせち料理やクリスマスケーキなど、様々な商品を注文することができます。また、セブンイレブンでは取り扱っていないワインや水など、既存店舗の品揃え強化にもなります。タブレット端末から商品を探して、お客様の必要とする商品を扱うことができますし、取り寄せの多い商品はセブンイレブンの店舗の仕入れ変更につながります。

 

短期的な懸念材料としては、多忙を極めるセブンイレブンの店先でこのような注文作業や商品取り扱いができるかという点が気になります。しかし、コンビニエンスストアのあり方を根本から変える取り組みであり、今後に注目したいと考えています。

 

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私、山下哲博は店舗ビジネスの発展支援と資金調達サポートを強みとする、小規模事業者向けのビジネスコンサルタントです。難しいことを分かりやすく、経営者の右腕になるべく帆走型のサポートを行っています。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

あとがき

セブンイレブンでロフトにあるような雑貨を買えたり、デニーズにあるような食品を買えたりというのは非常に楽しみです。Amazonがネットで生鮮品を買えるようなサービスを始めましたが、セブンでもイトーヨーカドーにある生鮮品を受け取れると良いですね。