今日の日経にびっくりするニュースが出てました。「国内向け50cc二輪、ヤマハ発動機、ホンダから調達」という記事でした。国内のバイク不況を象徴するようなニュースです。
原付バイクの市場縮小
国内の二輪車市場は1980年のピーク時と比較すると約8割減っているそうです。
かつては250万台近くあった年間出荷高が、今では40万台程度で落ち着いてしまっています。
中型・大型バイクを中心に「リターンライダー」という言葉も生まれてはいますが、60代の大人が趣味で買っているだけで、そもそもの需要があるわけではありません。
特に都市部ではバイク用の駐車場が十分にないにも関わらず、駐車禁止車両として交通違反になりますので、通勤や通学で実際に使うのは難しい状況になっています。
原付バイクは日本国内のガラパゴス市場
原付バイクは国内の二輪車市場の約半分を占め、自動車普通免許でも運転できますので、足代わりの需要はあります。ただ、日本国内独特の仕様であり、海外市場では全く求められていません。そもそも小型エンジンで制限速度が時速30キロの乗り物には魅力がありません。
自分は折りたたみ自転車で移動することも多いですが、踏み込めば30キロオーバーで走行することも多く、制限速度がある原付バイクを追い抜くことも珍しくありません。原付バイクもエンジンを回せば抜き返すことは出来ますが、警官に見つかったら必ず捕まってしまうので、制限速度以内で耐えていることが多いです。自転車は道路に書いてある速度以内で走れば良いので、幹線道路だと時速50キロが制限速度です。
国内市場だけみていると、「ゆでカエル」化する危険性
国内専用仕様の商品としては、かつての携帯電話が市場から消えそうです。iモードが付いたりして高度に進化していたように感じましたが、日本以外では全く需要が無く、国内市場だけではやっていけなくなったメーカーが次々に撤退して、今後はスマートフォン、又は電話機能に限定したスマートフォンに変わっていくようです。
外に出ないでぬるま湯に浸かっている内に、環境変化に対応できなくなる様を「ゆでガエル」と揶揄することもありますが、携帯電話に続いて原付バイクもその轍を踏みそうです。
また、携帯電話にしても、原付バイクにしても行政からの縛りがある商品という点で共通しています。「原付1種」という特殊な運転免許とカテゴリー、駐車場もないのに駐車違反の対象にすることを一方的に決めた交通行政に導かれて現状がもたらされ、今では業界1位と2位の棲み分けもできなくなってしまいました。
権利であれ、ポジションであれ、いずれは立ち位置が無くなる可能性があります。ビジネスにおいても、自己変革を続けていかないとならないでしょう。
自力での創業であれ、フランチャイズビジネスであれ、永続出来る仕事はありません。上手くいっている時ほど、次の一手を考えなくてはならないように感じます。
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最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
あとがき
独立して20年以上やられている先生のお話を伺う機会がありました。やはり、5年ごとに仕事の内容が変わってきているとのことです。