ホンダが新しいNSXを販売し、新車価格は2370万円するそうです。
NSXについて
ホンダのNSXは1990年に販売されたスーパーカーでした。当時は800万円の車で、オールアルミでフェラーリやランボルギーニと同等のスーパーカーとして販売されました。
当時は、日本経済はバルブ真っ盛りの時期であり、ホンダと言えばF1というイメージもありました。ホンダの車はたとえエントリーカーのシビックであってもタイプRというスポーティーなグレードがあり、NSXの販売は理にかなっていました。
1990年のホンダ
1990年のホンダのイメージは、アイルトン・セナであり、無敵のマクラーレン・ホンダでした。ホンダはスポーティーなイメージでシェアを拡大し、日産との差を詰めていました。
車種も、2ドアクーペのプレリュード、セダン/ワゴンのアコード、コンパクトのシビック、小型セダンのインテグラ、高級セダンのレジェンドと揃っていて、F1に出ていないトヨタとの違いを前面に出していました。
今のホンダ
今のホンダの売れ筋は、コンパクトのフィット、小型SUVヴェゼル、ミニバンのステップワゴン、小型ワゴンのシャトルです。
http://www.jada.or.jp/contents/data/ranking.html
スポーティーなイメージではなく、堅実な車作りをしています。実際、昨年のモーターショーに行っても、ミニバンばかりが並んでいて、実用本位のラインナップで、前日入場した人からは見向きもされていませんでした。
ちなみに、モーターショーの前日入場で一番人気はマツダでした。マツダ魂というか、マツダというメーカーのこだわりが伝わってくる熱いブースでした。
NSXやF1とホンダ市販車の乖離
ホンダと言えばスポーティーというイメージは、せいぜい30代半ばから上の世代が持つイメージです。1990年代半ばにF1から撤退した後はスポーティーなイメージはありませんし、それを体現する車もありませんでした。
なのに何故今になってF1?という疑問がありますし、NSXを出すのかという疑問も出てきます。
新型NSXのスペックは凄いけど・・・
今度のNSXは3.5リッターのツインターボエンジン+モーター3基という凄いスペックです。モーターは前輪の右と左に独立して付いていて、最大出力550psを誇るようです。
しかし、そんなスペックに価値があるのか疑問です。
今やポルシェは911ターボよりもマカンやカイエンといったSUVの方が人気ですし、それはレクサスやBMWも同様です。フラッグシップの車があって、そのイメージを引き継いで実際に販売する車があるというのが他メーカーの戦略ですが、ホンダの場合、F1やNSXというブランドイメージを牽引するものがありながら、実際の販売につながる車が無いように感じ、残念に思います。
ホンダはオデッセイやステップワゴン、フィットやヴェゼルという堅実な車作りが合っているように感じるのですが。
最後にもう1つ。車は移動手段と割り切れば200万〜300万円位で日常の使用に十分なものを買うことができます。2000万円を超えるとなると、それはその車を持つことにステイタスを感じるかどうかということです。
ミニバンやコンパクトカーが主流のホンダに乗って、それが感じられるかというと正直疑問です。コンパクトでありながら思い切り実用性に富んでいる車、ASIMOを開発したロボットの技術力を活かした革新的なモビリティの開発こそがホンダにふさわしいと思います。
=====
私、山下哲博は店舗ビジネスの発展支援と資金調達サポートを強みとする、小規模事業者向けのビジネスコンサルタントです。
・補助金や事業計画のサポート
・売上増加につながるご支援
難しいことを分かりやすく、経営者の右腕になるべく帆走型のサポートを行っています。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
あとがき
昨年の東京モーターショー、前日入場で空いていたとはいえ、自分が行ったときにNSXの周りには誰もいませんでした。走りのスペックの高さに価値を感じる時代ではないことを感じました。
自分は市販車よりもパーソナルモビリティのコーナーが一番面白かったです。