展望無き安売りは良くない〜決算から見るマクドナルドの惨状

昨日、商品の価値に見合った値上げで業績が回復した傘屋さんのエピソードを紹介しました。今度は、ハンバーガーチェーン最大手の財務諸表に注目してみました。

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マクドナルドの店舗閉店と原価率

マクドナルドの業績については、平成27年12月期の決算状況がホームページで公開されています。

http://www.mcd-holdings.co.jp/news/2016/release-160209a.html

店舗数では、直営が96店舗、FCが57店舗を閉鎖して、全体で3,093店舗になったようです(直営954店舗、FC2,002店)。同社では成長の見込めない店舗が131店と見込んでいて、そのうちの101店舗を平成27年中に閉鎖したということですので、まだ閉店は続きます。

 

もっと驚いたのは原価率です。連結の損益計算書を見ると、売上高と売上原価の数値が記されています。

・売上高  142,539百万円

・売上原価 143,138百万円 →599百万円のマイナス

フランチャイズがあるので、会社全体としての売上総利益は1.47億円です。ただ、販管費負担によって営業損失が252億円も出ています(営業利益率▲16.3%)。平成27年期の最終損失は347億円です。
マクドナルドの総資産は1091億円ですので、このペースが3年続くと債務超過になります。普通に考えれば、これがもう1年続くとさすがにまずいでしょう。

 

マクドナルドについて思うこと

マクドナルドのバリューセットだと600円位します。しかし、個人的には、今のマクドナルドに600円出すかというと微妙です。普段注文しているのは100円のコーヒーと、夕方だと200円位のハンバーガーです。おやつでしかないので、そんなものです。

昔はランチタイムに入ることもありましたが、最近はランチで入ることはなく、喫茶店代わりになりました。そのため、仰々しいセットメニューを頼むことはありません。私の場合は客単価として100円〜300円です。この価格で美味しいコーヒーを飲めますので、感謝の気持ちしかありません。

他の人の注文の仕方は分かりませんが、同じような注文をする人が多いのではないかと思います。

 安売り戦略を改めては?と思ってしまう

それにしても、売上が原価を割ってしまうというのは、現場ではなく、その価格に設定している本部のミスでしょう。マクドナルドといえば、100円を切る価格のハンバーガーや100円コーヒーなど、低価格での戦いに強いイメージがありますが、それは低価格ハンバーガーを可能にする仕入れ力やセットメニューの提案力があって可能になることです。

みんなが100円コーヒーや100円バーガーに集中してしまったら、マクドナルドの運営は成り立たないでしょう。最近は名称を公募したり、いろいろなハンバーガーを増やしています。是非、本格的なハンバーガーを世に出して、マクドナルド復活を果たして欲しいと思います。

 

 

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私、山下哲博は店舗ビジネスの発展支援と資金調達サポートを強みとする、小規模事業者向けのビジネスコンサルタントです。難しいことを分かりやすく、経営者の右腕になるべく帆走型のサポートを行っています。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

あとがき

今日もスタバで3時間ほど仕事をさせてもらいました。出先で仕事をしている者にとって、スタバはホントに有り難いです。