ヤマダ電機、一斉閉店報道を考える

5月24日の日経新聞で、ヤマダ電気が約40店舗閉店するというニュースが報道されました。直営店舗が全国に1000店舗強ありますので、40店舗をクローズしても全体の4%程ですが、成長を続けてきた同社にとっては転換期といえるでしょう。

スクリーンショット 2015-05-25 22.42.48

家電量販店の存在意義は?

かつては、家電量販店の特長は価格でした。どこよりも安い、近隣の競合店の価格調査を行い、それよりも安い価格を出していることが最大の強みでした。

もちろん、今も街中の電気店よりは安いのですが、今は量販店が最安とは言い切れなくなりました。ネット販売の方が安いケースの方が多いのではないでしょうか?

家電量販店など実際のお店で品物を見て、実際に買うのはネットで最安値の店から買う行為が「ショールーミング」と言われるようになって久しいのですが、これをインターネット店舗やユーザーのモラルに責任転嫁する論調があるのには戸惑います。ネットはネットでしかなく、商品をスペック以外の価値で比較することはできません。やはり、店舗の最大の機能である、商品を生で見ることの驚きや感動、最適な製品を教えてくれる提案力などが弱ってきていることが要因だと思います。

 

感動を生むお店とは

今は、家電やPCは安いのが当たり前ですので、安さだけでは感動がありません。また、昔と違って、生活に必要な電化製品については各世帯で既に揃っています。そのため、ユーザーのライフスタイルに合わせた総合的なサービスが求められているのではないかと思います。

スマホであれば大抵は買い換えになりますので、下取や修理のサービスを総合的に提案できれば、ユーザーにとっては大変便利です。また、家電製品であれば、単に売るだけでなく困ったときの相談サービスを受ければ、ユーザーにとって大変便利でしょう。

昨今では、街の電気屋さんで日常的なサービスを顧客に提供することで、買い換えや修理などの相談で稼ぐことができているところがあると聞きます。量販店であっても先ほど例示したサービスを提供している所もあります。

価格ではスーパーより高くても、お客様は近所で何でも揃っているコンビニで定価での買い物をしていますので、単に安く売るだけのモデルからは脱却しないとこの先も苦戦しそうだなと感じました。

 まとめ

お客様が価格の安さだけでは選ばない状況になってきました。ヤマダ電気だけでなく、マクドナルドや牛丼店も同じ構造に見受けられます。これから起業する場合は「適切な価格+その店で買う理由」が必要ではないかと感じます。