フランチャイズ組織 戦略の重要性を考える

中小企業診断士の試験勉強を初めてすぐに教わったフレーズが「組織は戦略に従う」でした。その反対のフレーズで「戦略は組織に従う」もあります。

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組織は戦略に従う

これは、チャンドラーの説です。元々の題は「Strategy and Structure」です。日本語訳が付いたときに、このようなフレーズになりました。組織の目的やミッションが無い限り、組織は機能しないという趣旨の学説であったことから、邦題ではこのように名付けられたようです。

最近、このフレーズを強く感じる企業とのやり取りがありました。経営者は自分こそが経営戦略を考えていて、周りは全く理解力のないスタッフだと考えています。そして、誰とも相談せずに、経営理念を定めるのですが、従業員とはあまりコミュニケーションを取ろうとしません。そして、経営者が作った経営理念は従業員に説明することもなく、ホームページに書かれているだけです。

複数店舗を運営されているのですが、店長はみなパートさんであり、店長会議と称する打ち合わせには「正社員でない」という理由で招集せず、本部スタッフだけで会議をしています。本部スタッフは現場の統括のような位置づけになっていますが、実際に店舗のことを掌握しているわけではありません。

 

この組織については戦略が無いわけではありませんが、戦略が周りに伝わっていません。したがって、戦略が無いも同然の状態なので、店舗は経営者の意志を離れて、店長が独自のマネジメントをしていました。

店舗はあるフランチャイズの加盟店なので、フランチャイズ本部からの指導が行き届き、収益は上げていました。極端な例ですが、最近このような企業がありました。

 

フランチャイズといえども、戦略が無いと、組織は機能しません。こちらの企業の例だと、収益は上げているものの、人材は育っていません。責任感のある店長が一生懸命にやっているから何とかなっているものの、店長がやめてしまったら経験のないスタッフしかいない状態です。

フランチャイズの要は人材です。戦略無くして組織は成り立たず、人は育たないなと改めて感じました。フランチャイズに加盟すれば収益が出るというだけでは、組織は永続しません。戦略を定め、従業員を引っ張っていくことが経営者の役割であるという当たり前の事を再認識しました。

 

あとがき
NHKで即身仏の特集をやっていたので見入ってしまいました。人間、志があれば、生きたままミイラになるという過酷なこともやってのけるのだと驚きました。